出版社内容情報
日本文学の最先端を、この1冊で知る!
2023年のあいだに文芸誌に発表された全短篇のうち12作品を厳選。
「時代の空気」を記録した、ベスト短篇アンソロジー。
【収録作品】
平野啓一郎「富士山」
円城塔「レンダリング・タイムカプセル」
黒井千次「消息」
三木卓「来訪した者」
宮内悠介「明晰夢」
村田沙耶香「おろか」
石沢麻依「マルギット・Kの鏡像」
谷崎由依「天の岩戸ごっこ」
嶽本野ばら「ブサとジェジェ」
本谷有希子「パンケーキ2.0」
坂崎かおる「ニューヨークの魔女」
蓮實重彦「午後の朝鮮薊」
【編纂委員】
伊藤氏貴
磯﨑憲一郎
金原ひとみ
川村湊
島田雅彦(解説)
【装幀】
帆足英里子(ライトパブリシティ)
内容説明
私たちは何を考え、何を食い、どのように生きたのか。「時代の空気」を記録した、ベスト短篇アンソロジー。文芸誌に発表された短篇作品から精選。日本文学の最先端をこの1冊で知る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
21
2023年に発表された短編選のアンソロジー。解説どおり、ジャンル上は純文学だが、純文学以外のジャンルとの混淆作品集という印象も確かにあった。それは悪い意味ではなく、純文学というジャンルの懐の深さとも受け取れた。人を作品とする村田沙耶香氏の短編や、パンケーキも題材の本谷有希子氏の短編も良かったが、マッチングアプリで婚活をする女性を描いた平野啓一郎氏の短編「富士山」が特に印象に残った。カタログスペックで相手を選ぶ婚活アプリの利用者が多数いる中で、価値観を重視し過ぎる主人公に対する皮肉とも受け取れた内容は重い。2024/09/14
アオ
7
日本文学の最先端を、この1冊で知る!2023年のあいだに文芸誌に発表された全短篇のうち12作品を厳選。「時代の空気」を記録した、ベスト短篇アンソロジー。マッチングアプリ、AI、死。作家の目から見た現代がとてもバラエティ豊かで深いメッセージを持っていた。2024/09/30
もぐもぐ
4
村田さん目当てで。嶽本野ばらさんの「ブサとジェジェ」、嶽本野ばらさんの作品自体久しぶりに読んだが、素晴らしく良かった!ゴスロリはしないが、原宿に行きたくなった。村田さんの「おろか」もやはり、かなり良かった。「救おうとしすぎている人って、私には傲慢です。指を差して、あなたの今の状態は正しくないですよ、って言っているのと同じに感じます」2025/01/30
inaryoXD11
1
平野さんの「富士山」目当てで読みました。2023年に文芸誌に掲載された短編12編。ほとんどがお初の作者の作品ばかり。もちろん「富士山」もよかった(女性の方に共感)ですが、嶽本野ばら「ブサとジェジェ」が後を引いています。ブサの意外な正体!みたいなサスペンス風の展開を思いつつ読んでいましたが、そんなことはなかったけど心に残りました。やはりいつも読んでいるSFやミステリーとは違うと感じ、その中に円城氏、宮内氏もいて、近くにこんな世界が広がっていたのかと、なんだかちょっと成長した気分。2025/03/26
文行
1
2024年を象徴する短編集と言いながら未来を見せつけられている気がするのは元来小説が時代を先取りするものだからなのか。2024年に蒔かれた種の花を見た気持ち。2025/01/31
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