講談社選書メチエ<br> ポスト戦後日本の知的状況

個数:
電子版価格
¥2,365
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社選書メチエ
ポスト戦後日本の知的状況

  • 木庭 顕【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 講談社(2024/03発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 44pt
  • ウェブストアに4冊在庫がございます。(2024年04月30日 08時58分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 368p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065352342
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0310

出版社内容情報

本書は、前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)の「姉妹篇」であるとともに「日本篇」と言えるものです。
「クリティック」とは何か?――その問いに答える前著は、他方で現代日本におけるクリティックの不在という事実を突きつけてきました。本書は、その点にフォーカスを定め、「現代の日本において何故クリティックが定着しないのか」という問題を集中的に扱います。取り上げられるのは1900年前後からの日本の「知的状況」です。ただし、現実との関わりを抜きには不可能な「クリティック」の不在をテーマとする以上、日本がたどってきたここ100年余の歴史を無視することはできません。それゆえ、著者の言葉を借りれば、「本書の内容は「思想史」でもインテレクチュアル・ヒストリーでもない。知的階層ないし擬似知的階層の知的活動のうちのクリティックのみを追跡する」ことになります。
ここで分析される対象は、「知的階層の言語行為」すべてです。それを分析することは、必然的に「知的階層の(欠落を含めた)あり方」をも扱うことになります。つまり、「知的階層を構成すべき人々の言語行為全体」が問題とされ、その結果、「狭い意味の学術」の世界の外で形成された言論も取り上げられることになります。
本書の「結」で、著者はこう言います。「戦後期に課題として発見された地中深くの問題を解明しそのメカニズムを解体する方途を探るためのクリティックの構築が挫折し、そしてその結果今ではこの課題に立ち向かうための条件、つまり立ち向かう資質を潜在的に有する階層ないしこれを育てる環境それ自体、もまた失われてしまった」。
この「失敗」は著者自身も当事者の一人にほかなりません。それゆえ、著者はこう言うのです。「なるほど私はバトンを受け取り先へ渡すことには失敗した。ブレイク・スルーを担う極小の一点へ、私の仕事が結び付くものではない。しかし、責任の中には必ず、失敗について報告し申し送る、とりわけ、何故失敗に終わったか、失敗の結果どういう状況が後へ残っているのか、について考察を遺しておく、ということがある」。
本書は、まさにこの言葉を実践したものです。これは「失敗」の研究であるとともに、この国がたどってきた道程の記録でもあります。好むと好まざるとにかかわらず、未来はここから歩まなければならない。しかし、著者が言うように「本書が最も悲観的に見る部分にこそ希望があることも事実である」ことを、ぜひ多くのかたに感じていただきたい。その願いとともに、本書をお届けいたします。

[本書の内容]
第I章 与次郎
第II章 戦前期(一八九五―一九四五年)
第III章 戦後期(一九四五―七〇年)
第IV章 ポスト戦後期I(一九七〇―九五年)
第V章 ポスト戦後期II(一九九五―二〇二〇年)

内容説明

この国の「知」の世界は、どんな状況にあり、どこに向かうのか?前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)で提示された図式を日本にあてはめたとき、どんな歴史が見えてくるのか?戦前期から戦後期、そして「ポスト戦後期」に区分し、この国が何に失敗したのか、その原因は何だったのかを鋭利な刃を手にして冷静に、しかし容赦なくたどっていく。本書は、著者自身も当事者である「失敗」の研究であり、これまでなされたことのない貴重な歴史の記録である。

目次

第1章 与次郎(与次郎の知的資質;この知的資質をもたらす要因;与次郎とクリティック;与次郎の射程―サンクロニクな平面)
第2章 戦前期(一八九五‐一九四五年)(那美さんの夫;与次郎の先駆者 ほか)
第3章 戦後期(一九四五‐七〇年)(戦後期の信用状況;一個の原点 ほか)
第4章 ポスト戦後期1(一九七〇‐九五年)(PPWにおける信用の状況;大学の状況 ほか)
第5章 ポスト戦後期2(一九九五‐二〇二〇年)(信用の状況;大学の状況 ほか)

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フクロウ

3
経済信用と政治の成立、さらに知的階層の成立は相互に影響関係にある。従って、理想の社会を描くには、経済、政治、学問(特に文学や法学)のそれぞれのどこをどうすればよくなる、ということを、失敗から学ぶ(?)「クリティック」により(問題把握とあわせ)認識する必要がある。明治維新の富国強兵路線この方、日本国における信用とは戦争による植民地からの強奪のために一元的信用マシーン(with暴力)たる日本国(「親方日の丸」「日本株式会社」)に全ベットすることであった2024/04/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21821671
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。