出版社内容情報
図書館の非正規職員をしているゆたきが出会ったのは、「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組、ユキ・タケ・ポン。オタサーの姫のような扱いを邪険にあしらうゆたきだったが、タケが自筆する「ブルックナー伝(未完)」の意外な面白さに引き込まれていく。ブルックナーは19世紀ウィーンを代表する作曲家でありながら、元祖非モテの変人だった! ダサいオタクの生き様が、夢を諦めた中年女に勇気を与える、サクサク読めるクラシック音楽オタ小説。
内容説明
図書館の非正規職員をしているゆたきは、クラシックコンサートの会場で「ブルックナー団」を名乗る三人組に出会う。仲間扱いを邪険にあしらうゆたきだったが、かっこ悪くも「好き」を貫くオタクの姿に感化され、翻訳家に憧れたかつての気持ちを思い出す。何かを愛する全ての人に贈る、偏愛クラシック音楽小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
6
野暮な非モテ音楽としてのブルックナーを愛する/洗練されたリア充音楽に引け目を感じる愛好家集団・ブルックナー団はブルックナーの不器用さに共感し、彼らに理解を示しつつ同時に嫌悪感を覚える主人公は、ブルックナーの音楽と伝記から不遇を託ちながら意志を貫く強さを学び取る。同じ音楽を愛する両者の間には相容れない断絶があるものの、同時に価値を共有してもいる。本作は彼らの齟齬を柔らかく包み込むように展開し、主人公の未来への展望を示して終わるが、本作の後でブルックナー団たちも変わるのか否か。2024/04/21
MrO
1
ブルックナーに対して、具体的な印象を持ってないのでなんとも評しようがないが、奇書、怪書であることはまちがいない。まずは、ブルックナーを聴いてみよう。そして、ブルックナー譚を読んでみよう。ちなみに、文庫版のあとがきがすごくいい。2024/04/14