出版社内容情報
【『NEEDY GIRL OVERDOSE』作者にゃるらが贈る、美しくどこまでも墜落していく青春小説】
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現代、東京。
少女は「かな」という名前だ。
絶望にはまだ届かないほどほどの孤独を感じている。
巨大SNSぽけったーで知り合ったアニメアイコンたちと、
行き場のないオタクとの自堕落なオフ会を続ける日々。
ある少女との出会いが「かな」の人生に彩りをもたらす。
彼女はすべてが儚く、美しく、天からの贈り物のようだった。
その美しい少女は、「あめ」と名乗った──
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誰かに求められる、何者かになりたい。
何者かになれるのではないか?
そう思ったことはありますか?
1人でもそんな人がいるのであれば、
この物語はあなたのために存在します。
内容説明
「何者にもなれない」平凡という呪いに苦しむ少女の物語、或いは墓標。にゃるら、初小説。
著者等紹介
にゃるら[ニャルラ]
1994年生まれ。沖縄県出身。上京後に即大学を中退し、主に家でアニメや漫画・インターネットを繰り返すだけの人生をおくるオタク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
碧海いお
10
ニディガに関連がある本ということで購入をしました。確かに超てんちゃん、あめちゃん共に登場。 18歳フリーターのかなが何者かになれないという悩む。 恋愛もの以外この手の小説は00年代発行のもので止まっていたのですが、ケータイ小説のノリ。パパ活や配信という言葉が出てくるのが現代みを感じます。ニディガを読む限り、筆者は90年代・00年代の発売をしたアダルトゲームが好きなようで意外といえば意外な話のように思えました。作者はあめちゃんといい、配信者に夢を持っているように感じました。2024/03/10
なつのおすすめあにめ
7
かなり読みやすい。『承認欲求女子図鑑 ~SNSで出会ったヤバい女子たち~』でのインタビューが創作に活かされているのだな、と。2024/06/08
椎名
6
ニディガをプレイしていてもしていなくても読める一冊になっているが、個人的にはやはりプレイしていたほうが解像度は高くなるのではないかと感じられた。“かな”というゴスロリ趣味なだけの平凡な少女。インターネットのどこにでもいるアイコンのひとつを通して見るこの世界と、偶然にも出会った本物の“何者か”であるあめちゃんの姿はあまりにも鮮烈だ。あめちゃんが時折語る、汚物にまみれたインターネットが見せる優しさや温かさ。結局のところ私たちはその一瞬が忘れられずにインターネットを繋げてしまうのではないだろうか。2024/02/17
takao
5
善とも悪とも言えない求道者、修行僧のような終わり方はいいと思った。周りに並べるような生活(あくまでじぶんの脳内の想像でしかないけれど)はできないのだから、そう割り切ってそれとは違う方向に生きていくしかないのかなと思いました。歳を取って虚勢を張る元気すらなくなってたからかもしれないけど。本の色合いや目次の見せ方、テキストの位置などへのこだわりは好感を持てた。縦に長い矩形を隙間なく満たす鏡のように光る蜘蛛の巣。2024/09/08
Kosuke
5
大きすぎる自意識に押しつぶされそうな気持ちを思い出した。よくそうした人間のリアリティを生々しく描けるなぁ。インターネットは「持ってる人」と「持たざる人」の差を鮮明にしてしまうとつくづく思う。ニディガをプレイした上で読んだのでリンクしていて楽しめた。2024/06/17