出版社内容情報
「生成AIブームの今こそ切望される知がここにある。」西垣 通(東京大学名誉教授)
「存在から情報へ――シン・哲学の姿に注目せよ!」山内志朗(慶應義塾大学名誉教授)
私たちは「情報」なしで暮らすことはできません。スマホでニュースを確認する、メールやラインをチェックする。改札を電子マネーの端末で通り抜け、車内では画面に映る広告や駅名を見る。そして会社に着けば……といったように、あらゆる場所に、無数の形で情報はあふれています。
では、そもそも情報とは何でしょうか? 一昔前のように言語をモデルに理解するのでは、医療現場での生体反応データから宇宙空間における周波数データまでをすべて「情報」として捉えることはできません。つまり、それが何かをよく理解していないまま私たちは情報なしではありえない生活を送るようになっているのです。
本書は、こうした現状の中で「情報という問い」に正面から取り組みます。カーツワイル、ボストロム、テグマークを通して技術との関係の中で「人間」とは何かを確認し、マカフィーとブリニョルフソン、ズボフを通して社会の中での情報がもつ機能を捉え、フクヤマ、ハラリ、サンデルを通して政治との関わりを考察します。その上で改めて「情報」というものを哲学的に規定し、情報をめぐる課題を整理します。
最先端の議論の見取り図を得られるばかりか、そこから得られる知見を整理し、日常にどう役立てるのかまで示してくれる本書は、これまでになかった1冊と断言できます。
[本書の内容]
序 章 情報という問い
第I部 情報がもたらす未来
第1章 情報と技術の未来
第2章 情報と経済の未来
第3章 情報と政治の未来
第II部 情報哲学の現在
第4章 情報の分析哲学
第5章 情報の基礎づけ
第6章 人工知能の身体性
第III部 情報の実践マニュアル
第7章 世界のセッティング
第8章 社会のセッティング
第9章 「人間」のセッティング
内容説明
目覚めてから眠りにつくまで「情報」と無縁で暮らすことはできない。スマホでニュースを見る、駅の券売機やコンビニで電子決済をする、SNSで発信したりやり取りしたりする…これらはすべて情報に関わる営みだが、さて改めて「情報」とはいったい何なのか?かつてのように言語をモデルに理解しようとしてもその範囲をはるかに超え出る範囲と力をもつようになった情報という摩訶不思議な存在をめぐって「今」の理論を一望し、「未来」への生存戦略を提示する。本当に必要な最強マニュアル、満を持して登場!
目次
序章 情報という問い
第1部 情報がもたらす未来(情報と技術の未来;情報と経済の未来;情報と政治の未来)
第2部 情報哲学の現在(情報の分析哲学;情報の基礎づけ;人工知能の身体性)
第3部 情報の実践マニュアル(世界のセッティング;社会のセッティング;「人間」のセッティング)
著者等紹介
北野圭介[キタノケイスケ]
ニューヨーク大学大学院映画研究科博士課程中途退学。ニューヨーク大学教員、新潟大学助教授を経て、現在、立命館大学映像学部教授。専門は、映画・映像理論、メディア論。ロンドン大学ゴールドスミス校客員研究員(2012年9月‐13年3月)、ラサール芸術大学客員研究員(2022年6月‐11月)、ハーヴァード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所客員研究員(2023年11月‐24年3月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。