講談社学術文庫<br> 所有とは何か

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講談社学術文庫
所有とは何か

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065345801
  • NDC分類 309.7
  • Cコード C0110

出版社内容情報

本書は、激動する19世紀フランスに生きた社会思想家ピエール=ジョゼフ・プルードン(1809-65年)の初期の主著である。
スイスとの国境に近いフランス東部のブザンソンに生まれたプルードンは労働者階級出身であり、向学心旺盛でありながら学業を断念せざるをえなかった。そうして働き始めた印刷所での日々は、のちの社会思想家を生み出す養分を提供することになる。すなわち、校正作業を通じてヘブライ語を習得したほか、聖書や言語学をはじめとする学的関心を養うとともに、同郷の社会思想家シャルル・フーリエの著書を校正することで、現実とは異なる社会を構想する動機を与えた。さらに、印刷工として働く傍らでフランス各地を巡行して印刷所の現場監督を務める中で労働者の境遇を身をもって知り、これが「社会の構成単位は仕事場である」という発想を導くことになった。これらの成果が結実したのが本書にほかならない。その冒頭には「最も数が多く最も貧しい階級の物質的、道徳的、知的境遇を改善する手段」を見出すというプルードンの動機が明確に宣言されている。
本書は第一章で提示される「所有とは盗みである」という警句によって物議をかもした。これは「奴隷制とは殺人である」という命題を「変形させただけ」だと言われるとおり、「所有」とは合法化された「盗みの権利」にほかならない。ならば、それが奴隷制につながらないための線引きを担保する必要がある。その方策を実現するものこそ、プルードンが構想した理想の社会だった。
紛れもない社会哲学の古典である本書の邦訳は1971年になされたあと半世紀以上、新しいものは登場していない。本書は、気鋭の研究者が清新な日本語で作り上げた新訳であり、格差が激化する今こそ熟読したい1冊である。

[本書の内容]
ブザンソン・アカデミー会員諸氏へ

第一章 本書が従う方法論――革命という観念
第二章 自然権とみなされる所有について――所有権の始動因としての先占と民法について
第三章 所有権の始動因としての労働について
第四章 所有は不可能であること
第五章 公正・不公正の観念の心理学的説明および、統治と法の原理の確定

訳者解説

内容説明

激動の世紀に生きたピエール=ジョゼフ・プルードン(一八〇九‐六五年)の名を知らしめた初期代表作。「所有とは盗みである」という衝撃的な命題を提示し、「最も数が多く最も貧しい階級の物質的・道徳的・知的境遇を改善する手段」とともに理想の社会を展望する。激化する格差社会の中、実力派の研究者が手がけた社会科学の古典、半世紀ぶりの新訳。

目次

第1章 本書が従う方法論―革命という観念
第2章 自然権とみなされる所有について―所有権の始動因としての先占と民法について(自然権としての所有について;所有権の基礎としての先占について;所有権の基礎および承認としての民法について)
第3章 所有権の始動因としての労働について(土地は専有されえない;普遍的同意は所有権を正当化しない ほか)
第4章 所有は不可能であること(証明;第一命題 ほか)
第5章 公正・不公正の概念の心理学的説明、および統治と法の原理の確定(人間および動物の道徳感覚について;社会性の第一段階および第二段階について ほか)

著者等紹介

プルードン,ピエール=ジョゼフ[プルードン,ピエールジョゼフ] [Proudhon,Pierre‐Joseph]
1809‐65年。フランスの社会思想家。政府至上主義を批判して相互性に基づく自由で平等な社会の実現を提唱

伊多波宗周[イタバムネチカ]
1979年生まれ。京都外国語大学准教授。専門は、フランス社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

れどれ

4
19世紀時点の社会を語る文章でこれほどまで読ませるとはと舌を巻いた。論点にれっきとした核があり、その核を読み手に共有させるために、知識、弁術、論法が駆使される気持ちよさ。とりわけシャルル・フーリエ(一派)への批判が徹底していて面白かった。2024/03/19

Fumoh

3
プルードンの代表作で「所有とは、盗みである」という文言はこの書にある。所有を一度承認すれば、それは相手の「非所有」に繋がる。だがその相手の所有も認めれば、お互いに矛盾した状態に置かれてしまう。つまり「所有とは何なのか?」を論じている。それは一つの慣習的な事実であり、また当時のフランスにあっては概念的権利であった。しかし彼が言うには、それは一度もしっかりと考察されたことがない。「法の下の平等」と「所有権」はどう嚙み合い、矛盾しているのか? それは国家や既得権益所持者によって、都合よく解釈されている、という。2024/02/18

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