出版社内容情報
私たち人間の体は、私たちを構成する分子のレベルで考えると、一秒たりとも休むことなく生まれ変わっている。一年足らずで私たちの体は、「まったく別人のように」変わってしまう。にもかかわらず、私たち人間はそうした変化を感じることもないし、決して動きを止めることのない変化に混乱なく生命を維持し続ける。こうした生命の在りようを著者の生物学者福岡伸一氏は「動的平衡」と呼ぶ。
「動的平衡」の在りようをわかりやすく示した表現として、福岡伸一氏は鎌倉時代に鴨長明が著した『方丈記』の冒頭の一節をあげる。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
当然のことながら、そうした人間の「動的平衡」状態を維持するためには「食」が必須条件である。そして、その「食」がいかなる「材」と「質」と「加工」によって構成されているかが、人間という生命の「動的平衡」の健全度、健康度を大きく左右することになる。
本書の前半部では、第一線の生物学者である福岡伸一氏が、この「動的平衡」についてわかりやすく解き明かしながら、人間にとっての「食」の意味、理想の「食」のあり方を生物学的観点から解説。後半部では、福岡伸一氏の主張を踏まえながら、料理研究家である松田美智子氏が「理想のレシピ」を紹介。そのレシピ、食材についての福岡伸一氏が解説。
内容説明
今日食べたもので、明日のあなたが作られる。オールカラー全84レシピ紹介。ベストセラー『動的平衡』の著者と第一線の料理研究家による画期的な「食」のコラボ本!
目次
第1部 「動的平衡」から読み解く生物ととしての人間の「理想の食」(「動的平衡と食」を、科学の歴史から探る;私が「動的平衡」に辿りつくまで;生物学者である私の原点…「センス・オブ・ワンダー」;「生命」とは何だろうか、「食」とは何だろうか;人はカロリーだけでは生きていけない!)
第2部 命の健康を守るために料理研究家が考えた「理想のレシピ84」(春の旬を味わう―食材そのものの甘さ、おいしさを生かして食す;夏の旬を味わう―暑くて疲れやすい季節だからこそ、健康維持には「食」が重要;秋の旬を味わう―「食欲の季節」をおいしく、ヘルシーに楽しむために!;冬の旬を味わう―寒い季節においしくなる食材で、身も心もあたたかく;「完全食」で健康を健康を保つ―「これだけ」でたくさんの栄養素を摂取 ほか)
著者等紹介
福岡伸一[フクオカシンイチ]
1959年東京生まれ。京都大学卒。青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。生物学者・作家。専門分野での論文発表のかたわら、一般向け著作・翻訳も手がける。『生物と無生物のあいだ』(講談社)は88万部超のベストセラーに
松田美智子[マツダミチコ]
1955年東京生まれ、鎌倉育ち。女子美術大学卒。料理研究家、日本雑穀協会理事、女子美術大学講師。ホルトハウス房子氏に師事し幅広く料理を学ぶ。「松田美智子料理教室」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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