出版社内容情報
第67回江戸川乱歩賞受賞作
待望の文庫化!
異色の女性エリートノンキャリが、組織の闇に翻弄されながらも、未解決事件(コールドケース)の真相にせまる。
新たなヒロイン、新たな警察小説、ここに誕生!
「読者を翻弄するストーリーテリングの技は新人離れしている」宮部みゆき
(読売新聞2021年11月21日書評)
「ミステリ好きなひとにとって、至福の時だ。ああ、このお話、読んでよかった」新井素子
(解説より)
博士号を持つ異色の警察官・沢村依理子。
北海道警察で現場経験を積む沢村は凍てつく一月、少女死体遺棄事件の捜査に加わる。
発見された少女は五年前に誘拐され行方不明となっていた島崎陽菜だった。
容疑者死亡で未解決だった事件は沢村を呑み込むように意外な展開を見せる。
第67回江戸川乱歩賞受賞作。
内容説明
博士号を持つ異色の警察官・沢村依理子。北海道警察で現場経験を積む沢村は凍てつく一月、少女死体遺棄事件の捜査に加わる。発見された少女は五年前に誘拐され行方不明となっていた島崎陽菜だった。容疑者死亡で未解決だった事件は沢村を呑み込むように意外な展開を見せる。第六十七回江戸川乱歩賞受賞作。
著者等紹介
伏尾美紀[フシオミキ]
1967年、北海道生まれ。北海道在住。2021年、第67回江戸川乱歩賞受賞作『北緯43度のコールドケース』(本作)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
56
誘拐事件の犯人を追跡中に死なせてしまい攫われた女児の行方も分からないまま未解決に終わって5年。大学院を出て警察官になった異色の存在の沢村依里子。男性優位であり、後ろ盾もない組織の中で刑事であることに思むのだが、情報漏洩の濡れ衣を着せられそうな状況からもう一度事件を追う。沢村を見守る奈良や片桐などの脇役キャラクターがいいし依里子を応援したくなる物語でした。2025/01/14
papako
56
たまたまセールで見かけて。読み難かった!いろんな事象が入り乱れてなかなか筋を追うのが難しかった。現実はそうなんだけど。沢村視点かと思うと、別の人の視点がたまに混ざってくるし、登場人物も結構いるし。でもま、最後はまるく解決できてよかった。ちょうどこれの前に読んだ本でも『聞く』力が書かれていた。これもそうだよな。沢村が自分の居場所と誇りを手に入れられてよかった。リークした犯人の言葉がない。確かに!そういう見方されると納得だよね。2024/08/14
おいしゃん
33
江戸川乱歩賞作品。新しい作家さんのようだが、警察小説を貪り読む自分にとっても大満足な完成度。キャラクターの造形が素晴らしいので、最後の女性刑事と犯人とのぶつかり合いは、息詰まる迫力があった。2024/08/27
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
札幌が舞台の幼女誘拐事件。事件は解決するが、悲しい結末。犯人が割とあっさり自白して、もっと早く解決しなかったのはなぜか。道警の不祥事が過去の例として出てくる。主人公の女性警官は全然ちがう分野で、博士号を持っている。その分野を生かした捜査を見たかった。2024/09/26
おうつき
25
江戸川乱歩賞受賞作。北海道を舞台に、博士号を取得した後警察官になった異色の経歴を持つ女性が、少女の死体遺棄事件と、過去に起きた誘拐事件の謎に挑む。あらすじからてっきり学者肌の主人公が専門分野の知識を活かして犯罪捜査を行う話かと思っていたが、実際は彼女の経歴は警察組織で生きていくには障害にしかなっていない。一見地味な話になりそうなところを構成の妙で読ませる物語になっている。割と序盤から予想外の方向に話が転がっていったので、着地点が気になって一気読みしてしまった。2024/11/01