講談社文芸文庫<br> 君が代は千代に八千代に

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講談社文芸文庫
君が代は千代に八千代に

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784065339107
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

20世紀末に連載が開始された2作の長篇小説『日本文学盛衰史』『官能小説化』とほぼ同時期、文芸誌「文學界」に毎回短距離走のように連載された短篇小説群。
明治の作家たちを登場人物とした先の2篇とは真逆の方向で、現代日本にあふれる空虚な賑やかさと残された希望の乏しさを、そして愛と日常を、どこまでも真正面から受けとめ表現しつづける短篇小説が13篇。
『さようなら、ギャングたち』で鮮烈なデビューを飾り、『日本文学盛衰史』で作家としての評価をさらに高めた高橋源一郎の、新たなる転換点としての傑作短篇集。

内容説明

一九八一年、『さようなら、ギャングたち』によるデビュー以来あたためられてきたアイデアが、二十年を経て日の目を見た―それは「日本という国に生きねばならぬ人たちについて書くこと」だった。文芸雑誌の締切に追われつつ出たとこ勝負で執筆された作品群に、作家は前世紀末から今世紀初頭にかけて見聞き感じ行動したすべてを注ぎ込む。感情、欲望、暴力、孤独、狂気、性、愛…に満ちた作品世界。

著者等紹介

高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951・1・1~。小説家、文芸評論家。広島県生まれ。灘中高校時代、詩・演劇に興味をもつ。横浜国立大学経済学部在学中、学生運動で逮捕され拘置所を体験。以後10年、肉体労働に従事。1981年、『さようなら、ギャングたち』が群像新人長篇小説賞優秀作に選ばれデビュー。吉本隆明に絶賛される。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞、2002年、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、12年、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞を受賞。自身の小説執筆に際しては、表面的な小説らしさにとらわれず、言語表現の最前線において格闘しつづける一方、ラジオや新聞、テレビ等のメディアにおいては、親しみやすい語り口で多数の読者予備軍に向けて文学のおもしろさを伝える努力を惜しまない。デビュー後40年超の今なお文学の前衛としてチャレンジをつづける作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フリウリ

6
図書館新刊コーナーから。「日本という国に生きねばならぬ人たち」をテーマにしているとのこと、ストレートに、そのままの小説群でした。テーマへのアプローチが、ここまであからさまがいいのかはわかりませんが、著者後書きで、「Mama told me」(強烈!)は自作朗読会で読む2つの小説の1つであり、「読んでも怒らないでほしい。もう書いてしまったので元には戻せないのだから」と書いていて、覚悟とも抵抗とも、衒気とも屈折ともとれるようで、実際に朗読を聞いてみたいと、強く思いました。72024/02/06

kumoi

4
俺はこれを言ってはいけない。口に出してはいけない。でも頭から消えないし、脳を掠め取っていくし、言えないまま死ぬよりも言って死んだ方が相当マシな人生なんじゃないか。さっきからイジっていたささくれがようやく外れた。これでこれでようやく前に進めそうだ。言葉なんていつもずれていく。俺が本当に思っていることは言葉にできない。現実は常に流れているからだ。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。現在の俺はもはや過去の俺ではない。むしろ未来の俺を完了形として想像したときに浮かび上がる過去の可能性が俺なんだ。2025/06/23

ぱーぷる・ばんぶー

1
13編の短編集。著者の作品としては、「さようならギャングたち」等のデビューの頃以来久々に読んだ。軽やかさは変わっていなくて、なんか感動した。2024/01/23

isbm

0
★★☆2025/08/05

みやったー

0
文体はポップで読みやすいが、薄氷の上を渡るような緊張感のある掌編の数々。足元を踏み外したらどこまで転落するかわからない危険さを感じながら読み続ける感触があった2025/02/28

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