講談社学術文庫<br> ドラキュラ・シンドローム―外国を恐怖する英国ヴィクトリア朝

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講談社学術文庫
ドラキュラ・シンドローム―外国を恐怖する英国ヴィクトリア朝

  • 丹治 愛【著】
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  • 講談社(2023/11発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065338308
  • NDC分類 233.06
  • Cコード C0122

出版社内容情報

急成長を遂げた周辺国からの侵略恐怖、増加する貧窮移民の不安、友好国へのぬぐいがたい不信、新たな感染症の脅威……「ドラキュラ」の恐怖と魅力の源泉には、黄昏を迎えた大英帝国の外国恐怖症があった。ゴシック・ホラーの金字塔に織り込まれた、ヴィクトリア朝イギリス社会の闇を描き出す!

世界でもっとも有名な吸血鬼「ドラキュラ」。
数ある吸血鬼作品のなかでも特権的な地位を得て、現代に至るまで映像化が繰り返され、日本では吸血鬼の代名詞にもなっています。
そのドラキュラの恐怖と魅力の源泉には、19世紀末イギリス社会に蔓延する深刻な外国恐怖症がありました。
「太陽の沈まぬ帝国」、「世界の工場」と謳われた栄光は過ぎ去り、軍事・経済ともに急成長を遂げつつある周辺国からの侵略恐怖、増え続けるユダヤ人など貧窮移民への不安、搾取してきたアジアの植民地から入ってくる新たな感染症の脅威……。
落日の大英帝国に生きる人々は心の奥底で何を恐れ、そしてドラキュラは生みだされたのか。
『パンチ』などに掲載された風刺画をふんだんに使いながら、ゴシック・ホラーの金字塔から読み解く世紀末ヴィクトリア朝の社会!

 イントロダクション
第1章 ドラキュラの謎
第2章 ドラキュラの年は西暦何年か
 帝国主義の世紀末
第3章 侵略恐怖と海峡トンネル計画の挫折
第4章 アメリカ恐怖と「栄光ある孤立」の終焉
 反ユダヤ主義の世紀末
第5章 ユダヤ人恐怖と外国人法の成立
第6章 混血恐怖とホロコースト
 パストゥール革命の世紀末
第7章 コレラ恐怖と衛生改革
第8章 瘴気恐怖と細菌恐怖
おわりに――ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究
増補 もうひとつの外国恐怖症――エミール・ゾラの〈猥褻〉小説と検閲
学術文庫版あとがき
引用史料一覧

コラム
吸血鬼の系譜/シャルコーの催眠術/一八九三年一〇月二日のピカディリ・サーカス/ダイヤモンド・ジュビリー/火星人/海峡トンネル・パニック/ベアリング銀行の投機失敗/ロスチャイルド一族の結婚/ロンドンとテムズ川の汚染……ほか

内容説明

軍事・経済ともに急成長した周辺国からの侵略の恐怖、増え続ける海外からの貧窮移民への不安、アジアの植民地から拡大する感染症の脅威…。我々を惹きつけてやまないドラキュラの恐怖の源には、「太陽の沈まぬ帝国」からの没落を予感する、英国の外国恐怖症があった。ゴシック・ホラーの傑作に織りこまれた世紀末ヴィクトリア朝の深層を描き出す!

目次

イントロダクション(『ドラキュラ』の謎;ドラキュラの年は西暦何年か)
帝国主義の世紀末(侵略恐怖と海峡トンネル計画の挫折;アメリカ恐怖と「栄光ある孤立」の終焉)
反ユダヤ主義の世紀末(ユダヤ人恐怖と外国人法の成立;混血恐怖とホロコースト)
パストゥール革命の世紀末(コレラ恐怖と衛生改革;瘴気恐怖と細菌恐怖)
増補 もうひとつの外国恐怖症―エミール・ゾラの“猥褻”小説と検閲

著者等紹介

丹治愛[タンジアイ]
1953年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

114
自らを先進国と誇っていた国が、他国に追い上げられて危機感を覚える例は珍しくない。現在の欧米諸国も国力衰退と移民急増への反感から右翼ポピュリズムが国民の心を摑んでいるが、19世紀末の大英帝国も同じ状況にあった。独仏との対立と貧しいユダヤ人移民の流入が、東方からの厄災で自国が没落するのではとの不安を煽っていたのだ。『ドラキュラ』は単なるホラー小説ではなく、当時の英国民に蔓延する外国恐怖症を吸血鬼として具現化したとの見方には強い説得力を感じる。ただ、作者のストーカーは英国の植民地だったアイルランド出身なのだが。2024/01/26

HANA

72
滅茶苦茶面白い。ドラキュラという小説を通して、世界帝国として君臨していたヴィクトリア朝大英帝国、それが内包する植民地経営の裏返しとしての外部からの不安を明らかにした一冊。それぞれフランスとドイツ、ユダヤ人、疫病と章分けされて分析されているのだが、それらが英仏海底洞窟やロシアから逃れてきたユダヤ人、そしてコレラと細菌といった当時の状況も絡めて明らかにしていく様はまさに快刀乱麻、読んでいるこちらの知的好奇心がどんどん刺激されていく様。逆に言うとドラキュラという小説が名作なのも証明されているようにも思える。2024/01/18

kei-zu

25
これは楽しい。「ドラキュラ」映画は一時期随分見たのだけれど、トランシルヴァニアとロンドンの距離感が不明で。「吸血鬼ノスフェラトゥ」では船旅の描写があるが、作品によってはロンドン郊外にあるようにも感じられる。なんでわざわざ東欧から?物語がまどろっこしくなるだけじゃないの?と思っていたのですが、本書での説明にはなるほどです。「外部」からの脅威(国力の低下、伝染病、ユダヤ人など)」「英国が国外に与えている脅威の自覚」などの指摘に膝を打つ思い。ブラム・ストーカーの原作は未読なのですが、気になってきました。2024/02/11

Akito Yoshiue

14
『ドラキュラ』を題材に19世紀末のイギリスの文化的・精神的傾向を解き明かしているが、文章に説得力があり、読ませる。一気読み必至の面白さだ。2024/01/30

masabi

13
「ドラキュラ」を題材に英国ヴィクトリア朝社会の外国恐怖症を詳らかにする。帝国主義の裏返し・覇権国交代の恐怖、ユダヤ人移民への恐怖、コレラ恐怖がドラキュラの造形や物語構造に反映されているとの指摘は目から鱗だった。増補分ではそこに女性嫌悪も追加される。悪役を倒す勧善懲悪の物語が一転してイギリス覇権の存続や象徴された悪の根絶をも含意され、そこに後年のホロコーストの兆しを見出す。知識があると読解や解釈の切り口が増える好例だった。年末年始に「ドラキュラ」を読んだ流れで手に取ったが良かった。2025/01/22

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