講談社文庫<br> 御社のチャラ男

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講談社文庫
御社のチャラ男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065338230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

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コロナ禍直前の2020年初頭に刊行され、各紙誌書評で絶賛された著者の“会社員”小説史上最高傑作ともいえる『御社のチャラ男』が、ついに文庫化!

いませんか?
こんなひと。

どこにでもいる、軽くて世渡り上手なチャラ男。
わかっていますか、本当の彼のこと。
組織に属する「私たち」の実態にせまる“会社員”小説の傑作!
   
ジョルジュ食品はオイル、ビネガーなどの商品を扱う地方の小さな会社だ。
社長のコネでやってきた三芳部長は、社内でひそかにチャラ男と呼ばれている。
自分には自分がないと悟る三芳と、彼のまわりの人々が彼を語ることで見えてくる、この社会に生きる私たちの現実。
すべての働くひとに贈る傑作“会社員”小説。

「どこか滑稽な書名に騙されてはいけない。ここに描かれるのは、組織なるものの実態であり、現代社会の問題や病理であり、働いて生きていくという営みの本質である。ジョルジュ食品という、地方の小さな会社を舞台にして。よりによって、チャラ男を軸に据えて。(略)頁を閉じたとき、きっと誰もが、濃密な塊を受け取ることになる。言葉で容易に説明できないその塊は、読者個々の体内を長い時間掛けてさまよう。本作で得たものと、私たちは共に生きていく」(木内昇「解説」より)

内容説明

ジョルジュ食品はオイル、ビネガーなどの商品を扱う地方の小さな会社だ。社長のコネでやってきた三芳部長は、社内でひそかにチャラ男と呼ばれている。自分には自分がないと悟る三芳と、彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この社会に生きる私たちの現実。すべての働くひとに贈る傑作“会社員”小説。

著者等紹介

絲山秋子[イトヤマアキコ]
1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。’03年「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞、’04年『袋小路の男』で川端康成文学賞、’05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、’06年『沖で待つ』で芥川賞、’16年『薄情』で谷崎潤一郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

361
地に足がつかない不思議な読み心地の小説。話の方向性が曖昧というか、特にまとめる気もないのかもしれない。群像を様々な角度から描写して、受け止め方は読み手に委ねきったタイプの作品。人物の印象の変化のつけ方や表現に、ハッとするような含蓄が見られ、他作品は読んでいないが、きっとこれが著者の最大の武器なのだろう。であれば、こういう物語構成は大正解。私自身も刺さる場面がいくつもあった。これぞ"小説"という感じ。三芳部長のような人をチャラ男というのか、そこだけ私の認識とズレがあった。2024/05/22

ばう

61
★★★★侮っておりました。チャラ男が実は良いヤツだった的な話かと勝手に想像して読み始めたらとんでもない“会社員小説”でした。チャラ男が勤める会社の同僚達一人一人の視点で彼の人となりが語られていく中で、会社とは?生き方とは?これからの日本のあり方とは?などなど様々な事を考えさせられます。津村記久子さんのお仕事小説も好きだけれど、あちらは地上1.5Mくらいの高さから眺めた世界、という感じでこちらはしっかり地に足がついたリアルな世界により近い感じ。前々から気になっていたけれど絲山秋子さんて凄い。良書でした。2024/06/21

優希

53
面白かったです。地方の小さな会社に勤めるチャラ男と呼ばれる三芳を軸に、会社の同僚の視点で語られる物語。皆がそれぞれ自分のことやチャラ男のことを語りますが、そこから見えるのは社会に生きることの現実なのですね。きっと何処の会社にもチャラ男はいて、そんな人に対する想いが様々な人にあるのかもしれません。2025/07/21

ゆいきち

50
冒頭から、「そうそう、分かる」と「こういう人、いるいる」の大渋滞。「チャラ男」こと三芳部長は、世渡り上手で口がうまくて、でも深みがなくて…。なるほど「チャラ男」だ。そのチャラ男を中心とした周りの登場人物たちの視点で物語が進んでいきます。中盤でこの「チャラ男」視点のお話も入るのですが、そこから一気に深みが増して来たような。ただのお仕事小説かと思って読んでいたら、会社とは?結婚とは?男女とは?日本とは?…と、考えのスケールがどんどん広がっていきました。ちょっと一味違うお仕事小説?でした。2024/07/09

niisun

50
絲山さんは、初めに『沖で待つ』を読んで、文体というか言葉のチョイスに惹かれて何冊か読んできましたが、最後に手に取った『ニート』がかなりエグい内容で、ちょっと距離を置いていました。『御社のチャラ男』は、見るからにエグくはなさそうなので久しぶりに読んでみました。会社に1人はいるというチャラ男を主人公に、同僚や家族の目線から描写する有りがちな構成ではありますが、解説で木内さんが書いているように、最後ではなく中盤にチャラ男本人の語りを入れたことで、最後まで面白く読めましたね。会社員の悲喜交々が良く描かれてます。2024/04/26

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