講談社タイガ 探偵は御簾の中〈４〉同じ心にあらずとも

汀 こるもの【著】

講談社（2023/11発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 304p／高さ 15cm
• 商品コード 9784065335017
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

夫はヘタレな警察トップ、妻は隠れた名探偵
両片思い夫婦、8年目の危機！？

大人気ときめきラブコメ本格ミステリー最新作！

内容説明

契約結婚から八年。ヘタレな検非違使別当（警察トップ）の夫・祐高は今更妻に恋をして盛り上がっていた。頭脳明晰な妻・忍は夫の人間性を疑い、家出を決行。旅先で、賊に襲われた高貴な僧「〓丸」に出会う。賊を追ってきた少将純直にも思惑がありそうで―。京を離れた初瀬で蠢く政争に忍が迫り、妻のもとへ祐高が駆けつける。平安貴族の両片思い夫婦に大団円は訪れるのか？

著者等紹介

汀こるもの［ミギワコルモノ］
１９７７年生まれ、大阪府出身。追手門学院大学文学部卒。『パラダイス・クローズド』で第３７回メフィスト賞を受賞しデビュー。小説上梓の他、ドラマＣＤのシナリオも数多く担当（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[雪紫]

「いや……こんな無茶苦茶な話にお一人だけまともで気の毒なばかりの人がいるなんてとても信じられないのだが……」祐高さまには言われたくない！今更知らない一面を知りまくりこじれにこじれても両片想い夫婦な平安ミステリ完結巻。いや、相手好きなあまりの不安でここまでこじれるし、いなかったらいなかったで巻き込まれた事件の対応かつ後の支障がないようにするのがより大変だわ・・・比翼連理は伊達ではなかった（白目）事件も政治やら平安ならではの伏線でややこしい分・・・でも、大明神らしいひねくれで夫婦ラブコメとして両者良い着地。

2023/12/28

[すみの]

全４巻読了。一夫多妻が当たり前の平安の帝を始め公家たち。そんな中で珍しく妾を持たず、忍一途の祐高。忍は側妻の一人でも囲ってほしいと思うのだが、現代に生きている私には別にいいのでは…なんて思ってしまう。第３巻の祐高兄嫁·白桃殿の話が良かった。骨のある兄嫁でした。

2024/09/20

[ときわ]

夫婦共にこの時代としては変人。という事は良い組み合わせなのか？蝉丸様はただの僧ではないとは思ったが、言葉遣いはひょっとして作者の間違いかもと疑った時もあった。ごめんなさい、仕込みでした。私が好きなところは「正義」とか「正しい対処」など振りかざさないこと。今回は特に無理やり丸めて収めたのでほっとした。これで終わってしまうのはちょっと残念。でも大団円は訪れたんだよね。

2024/04/13

[悪者みきこ]

忍様はほんっとぐだぐだと！お金に困っていなくて自分で子供を育てなくていい姫君はいいよね、3人子供いようが所帯染みることもなく夫との恋愛にうだうだできるんだから。あの人はあっちの話のあの人ってことでいいんだよね？ファンサというよりやけくそなのか？？なんだかんだぶーぶー言ってるが最終巻なの寂しい。葛城と泰躬の話とか千枝松の話読みたいー。

2023/11/21

[すがはら]

忍の上のこじらせは面倒臭いけど、暴走しながらも自分の贅沢な立場を自覚できるところが美点です。蝉丸の素性は周囲の反応と自分に対する敬語で薄々わかったけど、まさかそんな政治が裏で動いてたとは。平安朝は狭い人間関係で限られたパイを奪い合うから、兄弟も友人も上司や部下も信用しきれないのが辛いな。無難な落とし所のために適当な犯人を見繕って罠にはめるとか怖い話。人倫にもとると自己嫌悪しつつ政治家にもなれる忍の上には、朴念仁で馬鹿正直な夫が良い清涼剤だと思います。またいつか蝉丸と語り合えるといいのになぁ。

2024/09/01