出版社内容情報
「キューショーサンジュツ? なにそれ?」
数学テロ組織「黒い三悪定規」のメンバーによる、立てこもり事件が発生した。犯人たちは5階建ての図書館に人質を取って立てこもる。彼らが投げかけてきた問題は古代中国の数学。当然、警察官たちの手に負えるものではなく、我らの救世主、数学少女の浜村渚が現場に向かう。数学のラビリンスと化した巨大図書館ビルを浜村渚は攻略できるのか!? その他3編を収録!
大人気シリーズの最新刊が久々に登場!講談社文庫書下ろし。
内容説明
教師30人が乗ったバスが宙吊りに!「黒い三角定規」の犯行声明を受け、捜査に向かう武藤龍之介ら対策本部のメンバーと浜村渚。しかし、彼らも罠にはまり、メタバース空間に放り込まれてしまう。そこには、天才数学者・ラマヌジャンを産んだ国、インドを思わせる不思議な世界が広がっていた。ほか3編収録。
著者等紹介
青柳碧人[アオヤギアイト]
1980年、千葉県生まれ。早稲田大学クイズ研究会出身。2009年『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
52
本シリーズは「9さつめ」以降、新たな数学の知識が得られるようになり、ますます楽しみだ。本巻も古代中国の九章算術や、インドのラマヌジャンのことを知ることができた。ただ、九章算術は紙面の都合だろうか、計算の過程を詳しく説明できなかったみたい。また、ベクトルを勉強した記憶はあるが、虚数iの他に2乗すると-1になるj、kを創出したハミルトンの四元数は知らなかった。「電卓が愛を語る話」は黒い三角定規の事件ではなかったが、渚の優しさが最後にあふれ出す短編で良かった。2023/11/15
ひさか
43
2023年9月講談社文庫刊。書き下ろし。シリーズ12作目。九章めの真実、矢印を抱いて眠れ、電卓が愛を語る話、ナマギリにきいてみろ、の4つの連作短編。シリーズの13、12作目と逆に読んで来たが、今回の話の数学部分はわかりにくかった。渚、黒い三角定規、対策班メンバーは楽しいものの数学部分がわかりにくいと辛い。青柳さんはなかなかに難しい挑戦をしている。2025/01/15
みかんめろん
35
本シリーズ久々。やっぱり渚が可愛い。渚の同級生達もさらにカワイイ。相変わらずぶっ飛んでいていつも通り。今回は京劇やインド舞踊などアジアンな雰囲気が強くて映像で観たかった。焚書はダメゼッタイ。理系科目が世間から目の敵にされるのは一応理系出身のわたしには気分良くないですが黒い三角定規には「あなたたちのやっていることは人を傷つけることばかり。数学が美しいというならもっとそれを納得できるように世の中に知らしめるべき」という武藤さんの台詞がまさにその通り。最後のラマヌジャンの話は感動的でした。星3つ★★★2024/09/15
hirune
34
いきなり10冊目から読んでしまった!と思ったら以前1冊目読んでたみたい😅数学を教育から排除する日本政府に敵対する数学テロ組織と警察の戦いに巻き込まれて活躍する天才的な数学女子中学生…長いね。殺人事件も起こるけど、基本平和な感じのテロ事件なんだな。この事態は全然解決する気がしないけど…。嫌味な瀬島刑事はいる意味あるの?と思ってたら最終話で結構な活躍していて意外でした♪2024/08/21
よっしー
33
知らぬ間に続編が出ていてビックリしました。作品の雰囲気は全く変わっていなかったので、物語としては楽しめたのですが…段々と出てくる数学が難しくなってきていますね。もう、何を言っているのやらとなってしまい、アレコレは流し読みとなってしまいました。とはいえ、電卓での遊びは思わず試してしまいました。でも、どこかで計算を間違えたのか、3回目にして成功…。私と数字の相性は良くなかったみたいです(笑2024/06/09