出版社内容情報
誰かのために ここにいる。
かけがえのない存在がいなくなってからの日々。
互いに思いやりながらの関係と優しい距離。悲しみに寄り添うこと。
『背中の記憶』から14年ぶりの小説、連作小説集。
【収録作品】
翌日
フィービーちゃんと僕
灯台と羽虫
チャイとミルク
去年の今日
内容説明
誰かのためにここにいる。かけがえのない存在がいなくなってからの日々。互いに思いやりながらの関係と優しい距離。悲しみに寄り添うこと。『背中の記憶』から14年ぶりの小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
konoha
52
とても良かった。写真家としての長島さんも好きだが、小説家としても素敵な文章を書かれるんだと驚いた。飼い犬のPBの死から立ち直れない未土里と見守る息子の樹木、恋人の睦の関係はコロナ禍も影響し、ゆるやかに変化していく。生活の細部の描写までリアリティーがある。PBが人と対等に描かれるのが印象的。バレエ教室の友人、真希ちゃんも温かい。大人だからわかる孤独や優しさ、悲しみがあり、近い距離で慰めることが愛情ではないと3人とも知っている。悲しくてもただ寄り添い、いずれ立ち上がる。その事の大切さと重みが伝わってきた。2023/10/05
まるよし
10
愛犬との別れ、それ以上に人間同士のつながりの難しさが描かれる。「人を替えてもあなたの問題は変わらないんだよ」なかなか直接言える人はいないんじゃないかな。読み終わって気づきましたが、カバーイラストがとても素敵でした!2023/10/07
白と茶
7
友人の薦めにて。 ずっと一人称の世界じゃなくて、登場人物それぞれの視点から書かれているので立体感があって良かった。生きていくこと、人と付き合うこと、1人で子を育てることの中で生じる苦さみたいなものがとてもうまく言語化されてて、本当そうだよねと何か救われた気持ちと、ペットに対する気持ちはそれはもう、、 こちらはあくまでもフィクションだけど長島さんの生き方がどこか強さの参考にもなった。2024/10/20
t miya
5
長島さんの私小説のようだった。そして、長島さんもペットロスを経験したのだな、と感じた。チタチタチタと歩く爪の音や、ペットの死は誰のせいでもないはずなのに、周りを責めて最終的には自分を責めてしまうのとか、あまりにリアルで。犬のフィービーちゃんと家族の在り方、淡々としながらもありありと目に浮かんできてさらりと読めてよかった。2024/11/05
みーちゃん
4
チワワだったのか、表紙をみるまで大型犬をイメージしていた。PBが亡くなるところは号泣。でも、それ以外は、あまり印象にのこらなかった。2024/01/14