出版社内容情報
「お母さんは、私の幸せなんて望んでいない」
父を亡くし、編入した華族女学校の卒業式した海棠妃奈子は、
見合いを逃れる術(すべ)を探していた。
無能な娘は母の勧める良縁──子供までいる三十も年上の中年男に嫁ぐしかないという。
絶望した妃奈子は大叔母の
「女官になってみたらどうや」という言葉に救われ、
宮中女官採用試験を受ける。
晴れて母から離れ、宮殿勤めの日々がはじまる。
内容説明
「お母さんは、私の幸せなんて望んでいない」父を亡くし、編入した華族女学校を卒業した海棠妃奈子は、見合いを逃れる術を探していた。無能な娘は母の勧める良縁―子供までいる三十も年上の中年男に嫁ぐしかないという。絶望した妃奈子は大叔母の「女官になってみたらどうや」という言葉に救われ、宮中女官採用試験を受ける。晴れて母から離れ、宮殿勤めの日々がはじまる。
著者等紹介
小田菜摘[オダナツミ]
沖原朋美名義で『桜の下の人魚姫』が2003年度ノベル大賞・読者大賞受賞。2004年『勿忘草の咲く頃に』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
67
外交官の父と共に欧州で暮らしていた妃奈子は父の死によって母と妹と共に帰国し華族女学校に編入したが馴染めないままに卒業式を迎えた。良妻賢母を是とする母は、妃奈子に親子ほども年の違う相手と結婚しろという。見合いから逃れるために大叔母の紹介で宮中女官採用試験を受け、母と離れて宮中勤めを始めることに…。帝国劇場での観劇の雰囲気から大正時代を想定した物語なのだろう。恋の予感もあり、珍しい舞台設定もあり今後が楽しみなシリーズだ。2024/02/01
papako
31
明治?の宮中で女官になるお話。いわゆるお仕事小説ですが、宮中のしきたりとな役職とか読み方が覚えられなくて飛ばして読みました。ひなこさんの母親のやり方が怖い。ひなこさんは大叔母さまがいて、女官になれて本当によかった。2人の行く末は気にかかるけど、この方の他のシリーズでも結婚という形ではなく結ばれていたので、希望を持って読みたい。でも戦争くるよな。どうなる?シリーズ終わってから読もうかな。2025/05/10
よっち
31
父を亡くした帰国子女で、編入した華族女学校の卒業を迎えて見合いを逃れる術を探していた海棠妃奈子。大叔母の勧めで宮中女官採用試験を受ける物語。外交官の父と欧州で暮らしていたこともあって、三十も年上の中年男に嫁ぐしかないという母が勧めるお見合いをとても受け入れられず、宮殿勤めを選択した妃奈子。母からはエキセントリックで無能と決めつけられていた彼女が、女官としての仕事をする中で自分の居場所を得てゆくストーリーはなかなか良かったですし、帝国劇場で観劇したりもして恋の予感も感じさせてくれる今後の展開が楽しみですね。2024/02/15
のんちゃん
28
明治維新が少し昔になった頃、華族女学校を卒業し親の決めた30歳も年上の男との結婚を控えた妃奈子は、その結婚から逃れる為に大叔母の伝手を頼り宮中女官になる。先年迄外交官だった亡父と一緒に欧州の国々で暮らしていた妃奈子は英語が堪能で西洋的気質だ。それを日本では疎まれている。そんな彼女が宮中で少しずつ自分の意見を持って活躍していく物語。久々の小田作品。やっぱりこの方の物語、好きだなぁ。いつも主人公がしっかり者というだけでなく、己を顧みながら前進する様がとても好き。今作も続編がある模様。それがとても楽しみだ。2024/11/03
お涼
25
父親が外交官だったため欧州で育った海棠妃奈子。父が亡くなり、帰国を余儀なくされ華族女学校に編入するも、卒業後は30も年上の人とのお見合いが待っていた。そのお見合いから逃げるため、大伯母の声掛けで宮中の女官をすることになる。帰国してからは自分を押し殺していた妃奈子が少しずつ自分らしさを取り戻していくところが爽快。このあたりの時代物ってあんまり読んだことなくて、衣装や儀式にワクワクしながら読んだ。続きがありますように。2024/04/30