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出版社内容情報
あの時、14歳になったばかりの私――。自分を“モデル”にした少女像を突然発表されたことから、紫の中でしだいに鮮やかになる“先生”との記憶。湧き上がる怒り。友人の茜は紫に寄り添い、中学生の頃のような親密な時間を取り戻すが、その直後「少女像」の波紋が広がり始める。傷つきながらも「全部忘れて終わらせたい」と願ったはずの紫だが……。一方、紫の願いを拒絶した彫刻家・今井とその妻・紅子は何を思うのか。それは本当に“恋”だったのか、“芸術”はどこまで許されるのか――。各メディアで話題騒然! 創作と性加害をめぐる問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
43
【本当にそれは「恋愛」だった?】紫は以前のような親密な関係に戻った茜に「全部忘れて終わらせたい」と言いながら、「忘れられないの。一度記憶のフタが開いたら色んなことがズルズル出てくるの」と――。紫は考え続ける。<傷ついたと認めたくなかった。惨めになりたくなかった。選ばれた「女の子」だと思っていたかった。作り上げた幻想に逃避して、恋だから愛だからと、ごまかしていたのは先生(あの人)だけじゃなく私もだ。あの像は、過去の私も経験も「悲恋の少女」に押し込めて、生きている今の私の言葉と思考と力を奪って黙らせる>と。⇒2024/04/21
Carlyuke
27
示談にするしないで友人が金を一旦は受け取るが最後に主人公の友人の代わりに少女像を破壊。なんだかジワっと来る。これで終わって良いと思うが続きがあると知る。マンガカフェには4巻目はまだないようなので少し待つことにするかな。 色々な問題を提示するマンガ。このマンガ作家の他の作品も調べてみよう。2024/01/10
ぐうぐう
21
記憶を喪失することで負った傷が無くなるのだろうか。そもそも、忘れることなどできるのか。創作者も被害者も、それができないと自覚している。だからこそ、創作者は慰謝料という賠償を提案するのだ。けれど「あの像は過去の私も経験も「悲恋の少女」に押し込めて 生きている今の私の言葉と思考と力を奪って黙らせる」のであれば、暴力そのものは未だ続いていることを物語っている。個展会場における紫と茜の行為は、恋と言う名の暴力、芸術の名のもとの蹂躙への物理的抵抗だ。その抵抗は問題解決となるか。それとも新たなる波紋を生じさせるか。2023/08/20
紅咲文庫
18
あぁ、そうか。ここまで来なければだめだったんだ。ここまで来てやっと、ふたりで顔を合わせて笑えるんだ。中学生の時の自分を守るために、そのあとずっと抱えて歩いてきた重みを見据えるために。紫と茜の笑い合う車中が暖かくてほっとした。 2023/09/23
パンダプー
10
あーやってしまった。2023/07/21