泥醉文士

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泥醉文士

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065322581
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

会社を辞めて、毎日が日曜日になった。
もう、締め切りが待っているわけでもないし、損益計算書とにらめっこする必要もなくなった。目が覚めたら起きる。眠くなったら眠るし、腹が減ったら食べる。
面白そうな映画が封切られたら急いで見に行き、楽しそうな本はできるだけ手に入れる。それに飽きたら、似た身の上の友人を誘いだして、喫茶店でやくたいもないお喋りにうつつを抜かす。時間はいくらでもあるのだ。
こんな感覚、どこかで味わったことがあったなと思ったら、五十年近く前の学生時代に似た生活を送っていたのだった。なんだか懐かしい毎日である。

瘋癲老人のいちばんの醍醐味は、ベッドに寝転がって、何の役にもたたない本を読むことである。つまらなければ投げ出せばいいだけで、努力して読む必要は、全くない。今夢中になっているのは、昭和期に生きた文士たちの随筆である。今ではもう考えられないことなのだが、昭和の文士たちは、みんなで集まってよく酒を飲み、議論を交わし、挙句の果ては殴り合いの喧嘩をしたりしていた。
本の中で、彼らはまったく溌溂としている。
だが、実は全員、すでにあの世の人となっている。
深夜、そんな彼らの口吻や一挙手一投足を一人静かにページの中に追う。
鬼籍に入った人たちは安心できる。もう、裏切られることは絶対にないからだ。

ひとり燈のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。

兼好法師の気持ちが痛いほどよくわかる。
そんな風にして、文士たちの随筆を芋づる式に次から次へと読んでいるうちに、目に余る酔っ払いたちに出くわすようになった。
困ったひとだなあ。
思わずため息と微苦笑が口元に浮かぶ。でも彼らは、もう死んでこの世にはいないのだ。どんな愚行と醜態を繰り広げようと、もういなくなってしまった人たちは、みんななんだか愛おしい。
そんな、どうにも困った、愛おしい酔っ払い文士たちの面影をひとりずつ追ってみようと思いたった。なにしろ、時間だけはたっぷりあるのだから。
(「はじめに」より)

内容説明

中原中也も草野心平も小林秀雄も梶井基次郎も坂口安吾もみんなべろんべろんだった。

目次

1 中原中也伝説
2 悪口雑言と狼藉
3 泥酔界の巨星墜つ
4 小林秀雄と困った仲間たち
5 泥酔者は跳躍する
6 酔っ払いは栴檀より芳し
7 嫌われ者
8 ほのぼの系泥酔者たち
9 超弩級の泥酔者たち

著者等紹介

西川清史[ニシカワキヨシ]
1952年生まれ。和歌山県出身。上智大学外国語学部フランス語学科卒業後、文藝春秋に入社。雑誌畑を歩み、2018年副社長で退職。現在は瘋癲老人生活を満喫中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Sam

53
中原中也、坂口安吾、萩原朔太郎、草野心平、小林秀雄、梶井基次郎などなど。「生まれ落ち、大いに飲んで、激しく書いて、そして死んでいった沢山の酔っ払い文士たちの愉快な墓碑銘を書いてみようというのが本書の企みだったが…果たして、うまく書き上げることができただろうか」(あとがき)。然り。日本の文壇を代表する文士たちの呆れるばかりの乱暴狼藉ぶりが描かれているが、どこかユーモラスでもあり同時にペーソスも感じさせられる。ここに登場する先生方はある意味いい時代に生きて幸せだったということだね。またいつか読み返してみよう。2023/12/28

てふてふこ

12
数々の文豪のしでかし話。憎めない所もあるが、いくら文豪とはいえやっぱりこういう人とは距離を置きたい…。初回の「中原中也」伝説が(あの黒目がちな瞳の顔写真に騙されて)強烈で笑える。昔だから許される?成功話より、失敗談の方が面白いと再認識(^^)2024/05/28

chuji

2
久喜市立中央図書館の本。2023年7月初版。書き下ろし。オイラも若い頃は度々泥酔してました。今では只の呑んだくれ爺です。2023/09/13

アヴィ

1
昭和の文壇の酔っ払い伝説。中原中也の傍若無人振りが、酷いというよりも、どこかペーソスを感じさせるのはあのセンシティブな表情の写真と早逝の詩人というイメージですかね 汚れっちまった悲しみが酔っ払っちまった俺様に聞こえそうだが 太宰が酒の席では中也を避けていたが、詩作については一目も二目も置いていたというのだから、やはり天才なのだと思う 他にも大物文士たちが酔態を晒すが、一番面白かったのはあとがきの野坂昭如とピンクレディーの話ですかね2024/08/21

オールド・ボリシェビク

1
中原中也、小林秀雄、大岡昇平などなど、文学史に残る人々の酔態を紹介していく。唖然とするほどのすさまじさだね。早死にするのも無理ないと思うが、けっこう、天寿を全うされた方も多いな。作家たちの無頼ぶりは知らているものも多かったが、筑摩書房の創業者・古田晁の飲みっぷりは初めて知った。なお、私自身も泥酔男であることは深く認め、これまでご迷惑をおかけしてきた人たちに、心よりお詫びする次第です。2023/08/12

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