出版社内容情報
宮中を悩ませた妖怪・鵺を退治、
獅子王と呼ばれる刀を拝領したほどの武勇を誇り、
和歌にも秀でていた源頼政。
従三位を賜り、満たされていたはずの晩年、なぜ彼は挙兵したのか。
墓である頼政塚は、どうして祟りをなすと伝承されるのか。
京都・亀岡の頼政塚に放置された惨殺死体、
壇ノ浦で碇のオブジェに繋がれた遺体の連続殺人を軸に、
桑原崇が源平合戦の真実を解き明かす。
QEDシリーズ長編!
内容説明
平安時代末期、源頼政は宮中を恐怖に陥れた妖怪・鵺を退治。武芸にも和歌にも秀で、晩年には平清盛の下で従三位に叙される。ところが二年後、恩ある清盛ら平家を敵に挙兵する。なぜ頼政が老齢を押して戦いに臨まなければならなかったのか。頼政縁の地で起きた連続殺人を軸に桑原崇が源平合戦を解き明かす。
著者等紹介
高田崇史[タカダタカフミ]
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒業。『QED 百人一首の呪』で、第9回メフィスト賞を受賞し、デビュー。歴史ミステリを精力的に書きつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミエル
42
歴史の史実の裏側を考察するシリーズ、本作は源平の戦いがテーマ。正直、この辺りの歴史について疎いの何もかもが新鮮だった。これが真実だと言われれば信じてしまいそう。辻褄さえ合っていれば考察の精度は上がる。浅学に陰謀論は毒、自分自身でこんなロジックを体験できたのはなかなか面白かった。徹底した正史(とされている歴史観)の裏を読む姿勢は、実際どれくらい詭弁なのか?歴史ファンタジーを楽しむ醍醐味は、解釈の自由度が高さを許容する事だと思うので、これはこれで興味深い。2024/10/04
よっしー
26
文庫版で再読。やはり、源平時代はややこしくて…何度覚えようとしても見事に抜け落ちていくように感じます。今回の舞台は宇治!! 平等院は勿論、頼政公の所も参ったのに、どのような人物だったのかを初めて知った感じになりました。相変わらず事件に巻き込まれてはいるようですが…蘊蓄を含め、楽しく読了です。2024/11/13
hnzwd
25
歴史の謎に迫るQEDシリーズ。今回は源平合戦。歴史は勝った側が書いたものだけが残る、という話から、QEDシリーズは基本的に歴史に残っていない裏側を状況証拠と想像で補ったもの、と眉唾で読んでますが、、納得したくなる驚きを与えてくれるので好きなシリーズです。2023/10/27
イシカミハサミ
15
QEDシリーズも中盤以降は、 一つの説の敷衍を続けていたというか、 他の人物に拡張していただけというか、 あまり目新しさという意味ではなにもなかったけれど、 この巻は歴史の新しい闇に光が当たった気がした。2024/01/02
naolog
14
もう一つのシリーズで、そういえば奈々・祟(崇)と接触してたと思い出した。安徳天皇については自分も”そう”だったんだろう…と思ってしまう。「そんなやつおらんやろ」が多いQEDシリーズだが、今回は天皇家にしても、源平にしても、自分のルーツだったり敬う対象に過剰な対応をする人は実は現代でもいるよね、ってことで意外と素直に読めた。2023/11/04