講談社現代新書<br> 今を生きる思想 マルクス―生を呑み込む資本主義

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講談社現代新書
今を生きる思想 マルクス―生を呑み込む資本主義

  • 白井 聡【著】
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  • サイズ 新書判/ページ数 128p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065311967
  • NDC分類 331.6
  • Cコード C0210

出版社内容情報

資本という得体の知れない他者が、全地球を、人間の心をも包み込み、圧迫し、窒息させていく。労働力にとどまらず、われわれの感情までも「商品化」される現代社会を、「包摂」という概念をもとに読み解く。

われわれ一人一人が「自分のもの」と信じて疑わない意識、感性、思考のなかにまで、資本主義が浸透し、深化するとはどういうことか――。

【本書のおもな内容】
●それでも資本主義は終わらない
●働く者が自らの労働の主人でなくなってしまう
●社会は自己内部の矛盾によって変化する
●「富一般=商品」となる資本主義特有の現象
●商品物神・貨幣物神・資本物神の下の平等
●資本とは不断で無制限の価値増殖運動
●自分のための労働と資本家のための労働が区別できない
●「最良の労働者」の誕生――新自由主義段階の包摂
●「協働」や「共感」も商品となった――受動性の果てに

「イメージ的に述べるならば、資本主義とは一つのシステムであり、それはそのシステムの外にあるものを自己のなかに次々と取り込んでゆく。「外にあるもの」とは、天然資源であったり、より一般的に自然環境であったり、あるいは人間が生きていくうえで取り結ぶ社会的関係であったりする。さらには、単に取り込んだだけでは終わらない。資本は、資本独特の運動=価値増殖に役立てるために、取り込んだ対象をその運動に適したものへと変容させる。取り込まれたものは、資本主義のロジックによって浸透され、変容させられる。資本主義が「深化する」とは、端的にこのことを指している。しかも、その変容=深化がどこまで続けられるのかは、誰にもわからない。資本主義のロジックのなかに、その限度はない」――「はじめに」より

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100ページで教養をイッキ読み!
現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
「一気に読める教養新書」です!
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内容説明

資本という得体の知れない他者が、全地球を、人間の心をも包み込み、圧迫し、窒息させていく。労働力にとどまらず、われわれの感情までも「商品化」される現代社会を、「包摂」という概念をもとに読み解く。

目次

第1章 思想家マルクスの誕生(ヘーゲル左派の一員として;人間が生産物に支配される―フォイエルバッハ「疎外」論の影響;「人間の本質とは、社会的諸関係の総体である」―フォイエルバッハ批判 ほか)
第2章 『資本論』の世界(なぜ、「商品」なのか?;資本主義社会の条件;「労働力の商品化」の過程―「本源的蓄積」の意味 ほか)
第3章 「包摂」の概念、「包摂」の現在(資本主義が地球全体を呑み込む;形式的包摂から実質的包摂へ―機械の一部としての労働者;フォーディズムの時代―二〇世紀以降の実質的包摂 ほか)

著者等紹介

白井聡[シライサトシ]
1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。現在、京都精華大学教員。専攻は、社会思想、政治学。3・11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版、のちに講談社+α文庫)により、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

112
産業の発展が即ち資本主義とされた時代には、マルクスの思想が有効だった。上部構造と下部構造、労働力の商品化と搾取など、資本主義社会の抱える矛盾や諸問題を分析できたのだから。しかしマルクス主義に基づく社会主義政治が失敗した結果、批判者を失い暴走した資本主義体制が一層奇形化したのも事実だ。こうした事態に対しマルクスの考えを参照し、人間らしい世界をつくる動きに関心を持とうと呼びかける主張は理解できる。しかしAI知能やゲノム編集技術が神の領域を侵すほどまで発展する時期が目前とされる今日では、もはや手遅れではないか。2023/05/27

skunk_c

69
本書の肝は第三章の「包摂」にあると思う。冒頭にある(p.19)「労働は人間の生活を豊かにするはずのものであるのに、資本主義社会では労働力が商品化され、労働過程とその生産物が利潤追求の道具となるために、働く者は自らの労働の主人でなくなってしまう」という説明を読んだとき、入門的シリーズの本書で、この部分で一体どれだけの(過去にマルクスに取り組んだことがない)読者が理解できるのかと疑問を感じた。第二章にこの件の解説もあるがやはり少々難解。やはり『資本論』をコンパクトに解説するのは相当な力業がいると感じた。2023/09/03

Aster

32
危険な本、正しすぎて。2024/02/07

ちょび

18
読めば読むほど資本ってなに?と考え込んでしまう。資本と言う得体の知れないものに資本家も労働者も(支配する側もされる側も)囲い込まれ(包摂)身動きできない現実が世界中に広がる。資本主義から更に金の亡者化(感動・笑顔・共感etcまで商品化されている)した新自由主義の下で人々が苦しんでいる。この閉塞状態から抜け出す方法を見つけることは難しい。が「我々の魂が監禁され絞殺されようとするとき、泣き、叫び、怒り狂ってよいのである」と著者は言う。連帯し小さな流れから大きな流れを作り出して少しでも明るい未来を手にしたい。2023/09/21

tokko

16
「資本論」が読みかけで、なかなか理解に苦しんでいるところに、ちょっとでもいいから理解の支えになるものが欲しいと思って読み始めました。もちろん「資本論」の網羅的な解説ではないけれど、いくつか「そういうことだったのね」というところが思えるところがあります。気になるキーワードとしては「資本の他者性」「実質的包摂」でしょうか。19世紀の古典的資本主義では資本の利益と労働者の利益がトレードオフの関係になっていた部分がありますが、現代では労働者が資本の利益を優先させることを疑いません。まさに「包摂」というわけですね。2024/01/07

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