出版社内容情報
雪の山荘で美女が殺される。部屋は旋錠され、犯人の足跡もない! 本格推理の極。誇り高い美女からの招待で信州の山荘に出かけた法月警視だが、招待客が一堂に会したその夜、美女が殺される。建物の周囲は雪一色、そして彼女がいたはずの離れまで、犯人らしい人物の足跡もついていないのだ。この奇怪な密室殺人の謎に法月警視の息子綸太郎が挑戦する、出色本格推理。
内容説明
雪の山荘へ招かれた法月警視。客人が揃った夜、招待主の美女の死体が離れで発見される。部屋は施錠され、雪の上には発見者の足跡だけ。不可能状況から自殺で処理しようとする地元警察に対し、殺人を疑う法月警視は、綸太郎とともに密室トリックの解明に挑む。大人気「法月綸太郎」シリーズ、始まりの一作。
著者等紹介
法月綸太郎[ノリズキリンタロウ]
1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。在学中は京大推理小説研究会に所属。’88年『密閉教室』でデビュー。’89年、著者と同姓同名の名探偵が登場する「法月綸太郎シリーズ」第1弾『雪密室』(本書)を刊行。2002年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。’05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞小説部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
71
法月綸太郎シリーズ第1弾。シリーズを途中から追いかけていたので第1作目は逆に初読みだったがさすが法月さん、タイトルに違わずシリーズ1作目からいきなりカーばりの雪密室が登場。雪に囲まれた離れと発見者の足跡のみが残された一面の雪野原。本格好きにはたまらないシチュエーションが楽しい。そしてなんとお父さんの法月警視が主人公で話が進んでいくというシリーズには珍しい展開。法月警視と綸太郎だけではなく錯綜した家族関係をベースに描かれたミステリはかなり重くシリアス。法月警視の何者にも屈しない強い正義感が印象的だった。2023/03/14
キナコ
28
シリーズ一作目。以前外伝を読んで面白かったのでシリーズものも購入。探偵の父親であり、ワトソン役である警視視点で進んでいく。トリックはビックリ。密室の盲点だよなあ。また登場人物たちの多くが性格に難ありだな。父と子供のテンポのいい会話も良かった。2024/07/27
小梅さん。
17
雪に閉ざされた離れの中で起きた殺人事件。 足跡を残さず犯人はどうやって姿を消したのか。 そこに集まられたのは殺人の動機を持つ者ばかり。 うわー、この設定、たまらない。 ざ・昭和な空気に、「読者への挑戦」! 法月警視をそこに送り込んだ男の存在も不気味。 なにしろ、冒頭に「エピローグ」が置かれて、犯人が明らかに見える。疑り深い読者としては、それこそに仕掛けがあるのではと思ってしまうわけだけれど、あれ、それが罠なのか、とか考えると思考はぐるぐる回るw 本当に楽しい時間だった。2024/10/23
Kei.ma
16
冬のペンションに全員集合の態で幕開きとなった推理小説。だが、一筋縄ではいきそうにない。というのは、全員集合の意味さえ察知されたのは密室の不審死からしばらくして主人公法月警視が漏らした「お嬢さんを殺人犯と結婚させるより・・・」なのだから。ところで巻末のあとがきは印象深い。大ヒットを待つ作者の胸の内が聴けたようで。2023/10/15
サーフ
13
初・法月綸太郎作品。登場人物の関係性が中々歪つ。"不穏"とはまた違った雰囲気。トリック自体はなんとなく想像は付いていた。2024/01/16