出版社内容情報
AIに代表される計算機技術の成熟とともに訪れる、新しい自然。
デジタルデータと自然が融和し、そのどちらでもない自然に生まれ変わった自然・自然観を、落合陽一は「デジタルネイチャー」と名付けた。
計算機と自然の様々な中庸状態を探るなかで、人の身体が制約から解放され、新たな制約を楽しむこともできる、という気づきの先にあるのが、クロス・ダイバーシティのプロジェクトである。
菅野裕介(東京大学生産技術研究所准教授)、本多達也(富士通株式会社Ontennaプロジェクトリーダー)、遠藤謙(ソニー株式会社シリアリサーチャー)ら日本を代表する若手研究者・エンジニアが集結し、落合陽一を代表としてJSTクレストxDiversityを結成した。
メンバーは4つのチームに分かれ、それぞれのタスクに取り組んだ。
聴覚補助デバイス、ロボット義足、視覚障害者支援デバイスなどの製作と、それらのデバイスを実装するためのワークショップ、プロトタイピングなどである。
義足を着けた乙武洋匡氏は国立競技場でみごと117メートルを歩ききった。
ろう者・聴覚障害者のために開発された「Ontenna」は全国の8割以上のろう学校に採用され、新たな体験をもたらしているだけでなく、聴者の世界も広げつつある。
xDiversityは、技術(=どうやって解くか)の多様性と課題(=何を解くか)の多様性をクロスさせて新しい価値を生み出すことをコンセプトに挑戦を続けてきた。
本書は、4年半におよぶxDiversityプロジェクトの内容を、落合陽一氏をはじめとしたメンバーが報告するレポートである。
いま、たしかに姿を現わしつつある新しいデジタルネイチャーの実像がここにある。
内容説明
義足歩行、聴覚補助デバイス開発などAI、デジタル技術で真の多様性を目指す最先端プロジェクト、全報告。
目次
序章 最高のチーム
第1章 Ontenna―AIでろう・難聴者の可能性を拓く
第2章 OTOTAKE義足プロジェクト
第3章 OTON GLASSからファブビオトープへ
第4章 当事者の視点によるxDiversityの未来
第5章 Maker movementの期待と失敗
第6章 “現実”の自給自足展
第7章 インクルーシブワークショップの5年
第8章 技術の多様性と課題の多様性に挑む
終章 対談「xDiversityはGAFAの先のコモンをつくる」
著者等紹介
落合陽一[オチアイヨウイチ]
メディアアーティスト。1987年生まれ。JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授、京都市立芸術大学客員教授、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学特任教授、金沢美術工芸大学客員教授。2020年度、2021年度文化庁文化交流使、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。2017~2019年まで筑波大学学長補佐、2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員、内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員、デジタル改革関連法案WG構成員などを歴任
菅野裕介[スガノユウスケ]
東京大学生産技術研究所准教授
本多達也[ホンダタツヤ]
富士通株式会社Ontennaプロジェクトリーダー
遠藤謙[エンドウケン]
ソニー株式会社シニアリサーチャー
島影圭佑[シマカゲケイスケ]
デザインアクティビスト
設楽明寿[シタラアキヒサ]
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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