出版社内容情報
1941年12月8日未明、日本軍はハワイオアフ島の真珠湾軍港を奇襲攻撃、太平洋戦争が始まった。さらに同日未明、当時イギリスの植民地だった香港攻略作戦を開始した日本軍は18日に香港島へ上陸、25日、イギリスは全面降伏。以降、香港は3年8ヵ月にわたって日本の統治下に置かれた――
元ロンドン駐在の外交官・谷尾悠介、イギリスから香港へ流れ着いて通信社で働くリーランド、香港の貿易商・黄。日本軍が占領する直前のイギリス領香港で出会った国籍の異なる三人。酒と広東料理とシェイクスピアを愛する男達が、それぞれが秘密を抱えながらも奇妙な絆で結ばれていく。過酷な時代の狂風が吹き荒れる中、国家と個人はどう向き合えばいいのか。谷崎潤一郎賞・ドゥマゴ文学賞のダブル受賞作『名誉と恍惚』を凌ぐ、傑作長篇。
内容説明
1941年11月、日本軍政前夜の香港。暗い過去を秘めた日英中の男3人がペニンシュラ・ホテルに集い、飲み、食らい、語り合う。やがて夜は更け、歴史が動き始める―。守るべきは祖国か、個人の矜持か。時代の狂風に翻弄される男たちの愛と友情と苦悩を、哀切を込めて描きあげる、新たな傑作!
著者等紹介
松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954年東京生まれ。詩人、小説家、批評家、フランス文学者、東京大学名誉教授。1988年『冬の本』で高見順賞、95年『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で三島由紀夫賞、同年『平面論―一八八〇年代西欧』で渋沢・クローデル賞平山郁夫特別賞、2000年『知の庭園』で芸術選奨文部大臣賞評論等部門、同年「花腐し」で芥川賞、05年『あやめ 鰈 ひかがみ』で木山捷平文学賞、同年『半島』で読売文学賞、09年『吃水都市』で萩原朔太郎賞、(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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