出版社内容情報
本書の主な内容
第1章 哲学の本質
第2章 本体論的転回と認識論の解明
第3章 欲望論哲学の開始
第4章 世界認識の一般構成
第5章 幻想的身体論
第6章 無意識と深層文法
第7章 価値審級の発生
第8章 「善と悪」
第9章 「きれい-きたない」審級
第10章 美醜
第11章 芸術美
第12章 芸術の本質論
終章 芸術の普遍性について
内容説明
すべての基礎は欲望である。現代思想の行きづまりを打破し、根本的に刷新する。
目次
哲学の本質
本体論的転回と認識論の解明
欲望論哲学の開始
世界認識の一般構成
幻想的身体論
無意識と深層文法
価値審級の発生
「善と悪」
「きれい‐きたない」審級
美醜
芸術美
芸術の本質学
芸術の普遍性について
著者等紹介
竹田青嗣[タケダセイジ]
1947年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学名誉教授。哲学者、文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
41
筆者名も分からず本書のプロモーション記事(広告)を読んで、力の入った文章だなと思って、筆末をみたら著者だった。それから気になっていた本書を読んでみると、冒頭、やはり力の入った文章に出会う。著者の意気込みは買う。とはいえ、これは入門書ではない。入門とは虎の穴なのだろうか。確かに本質直観によれば、読み通せるのかも知れない。だが、著者こそが、大半の読者が挫折するのを最も分かっているのではないだろうか。フッサール的な現象学とニーチェ的なパースペクティヴによる欲望と実存的主体論で本書の議論を押し切る。ポスト・モダン2022/10/27
特盛
21
評価4/5。竹田先生よる哲学人生の総決算的な印象であった。(もっと若い頃に書かれた「哲学入門」と非すると感慨深い。)主張はポストモダンの相対主義的行き詰まりの打破、との観点ではガブリエルと立ち位置であるかもしれない。存在≠認識≠言語とシンプルに表された哲学の行き詰まりに対して、ニーチェの生の哲学とフッサールの現象学を下地に、「欲望」を基礎とした価値の哲学を打ち立てるべく奮闘する。ずっと哲学やってて結局こう思っただよ!という様な、魂の籠った筆致、思考の結晶に唸らされる。欲望を見据えず充実した生はあり得ないな2025/09/27
原玉幸子
19
全網羅的にだらだらっと羅列するのではなく、エッセンスを抽出して断言する言説は、竹田青嗣の文体が為せる技なのか不思議と読み難くありませんが、それでも、相当な数の言い換えや定義に付いて行けなくなると、どうしても「?」となります。そして、氏の言う「新しい哲学」を善と美の「紐付け」に収斂させるのは、少し無理があるのではと思います。結局、ばくっと、実存・構造主義・ポストモダンとの流れがあり、認識、身体、時間、モノ、社会ぐらいに言及すれば、「へいっ、哲学一丁あがり」と断言出来る気がします。(◎2022年・冬)2022/11/05
Ex libris 毒餃子
13
美学の章が面白かった。現代哲学の問題点を竹田青嗣の理論で問う姿勢は熟年の技である。2022/10/05
fseigojp
10
著者75歳の作品 NHKブックスの「現象学とはなにか」で、結局独我論ではないかとの疑問を持ったが、見事に血肉化しており読み応えあり2022/10/01