出版社内容情報
世と関わるのも、子を育てるのも、難しいものだ。
大天狗と九尾の狐は犬猿の仲。
そんな二人がタッグを組んだ初のプロジェクトは……子育て!?
心温まるあやかしとこどもの話。
内容説明
「僕たち、結婚するべきじゃないかな」仇敵の霊狐が食後のリビングで告げる。天狗・黒舞戒はふかふかのソファからずり落ちた。遡ること1年前。あやかしとして富と力を奪い続けてきた天狗は変わらない自分に飽き飽きしていた。600年の間に、人は山を拓きビルを建てたというのに―。一念発起し、ボロボロの社から山を下りた黒舞戒に待ち受ける試練は、宿敵と人間の赤子を育てること!
著者等紹介
芹沢政信[セリザワマサノブ]
群馬県出身。第9回MF文庫Jライトノベル新人賞にて優秀賞を受賞し、『ストライプ・ザ・パンツァー』でデビュー。小説投稿サイト「NOVEL DAYS」で開催された、講談社NOVEL DAYSリデビュー小説賞に投稿した『絶対小説』にてリデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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よっち
38
あやかしとして富と力を奪い続けてきた天狗・黒舞戒。そんな彼に仇敵の霊狐と人間の赤子を育てる試練が待ち受けるあやかし子育て物語。600年の間に人は山を拓きビルを立てたというのに、変わらない自分に飽き飽きして一念発起し、ボロボロの社から山を下りた黒舞戒。そこから長年争ってきた狐狸の宮杵稲と人間の子供・実華を育てる展開で、あやかしの力も子育ての前には無力な様子が微笑ましかったですけど、何だかんだで協力して問題を解決するようになって、実華だけでなくお互いのこともかけがえのない存在になってゆく結末は良かったですね。2023/02/02
RIN
18
分かっていた。分かっていたけど、もしかしたらという期待も捨てきれなかった。600年間いがみ合って来た宿敵同士、天狗と狐が何の因果か共に試練に立ち向かう、あやかしmeets.人間の赤子in現代社会。andやたらとリアル過ぎる料理。尋常ならざる強い妖力を持て余し好き勝手生きてきた天狗と、狡猾で気位の高い妖狐が儘ならない育児を通じて己を見つめ愛を知る物語。多種多様な家族の在り方を全力で肯定する強さ。軽くてご都合主義だけど、何せべらぼうに優しい。天狗と狐はお互いが大嫌い。でも本当はずっと好き。リア充め、爆発しろ。2023/06/11
なみ
16
600年にわたり争ってきた天狗の黒舞戒と狐狸の宮杵稲が、人間の子ども、実華を育てることになる。 話が進むにつれて、2人のパパの誠実さや優しさがわかり、読み終わるころには大好きになってました。 実華や人間たちとの関わりの中で、未熟さを自覚して変わろうとする黒舞戒も、実華のことを第一に考えて大切にしようとする宮杵稲も、本当に格好よかったです。 とにかく読んでいて楽しい1冊でした。 実華が成長した話も読みたい!2022/12/23
葵上
6
次の巻に期待かなーキャラは嫌いじゃない。みんな好き。だけど、全体的に浅い印象。もっと書き込んで見せ場作って欲しい。2巻に期待2023/10/03
てみさま
5
ママ友に黒舞戒と宮杵稲がいたら楽しかっただろうな(目の保養も兼ねて)と遠い過去に思いを馳せつつ時々声を出して笑いながら楽しく読了。イケメンで料理もお菓子作りもできて、無茶苦茶強いあやかしのお父さん2人に育てられる実華の将来が楽しみ。2023/10/19