出版社内容情報
小林 章夫[コバヤシ アキオ]
著・文・その他
新井 潤美[アライ メグミ]
解説
内容説明
政・官・軍のリーダーとして大英帝国を支えつつ、空前の豊かな生活を送った貴族たち。彼らは国の主導者として法律を作り、政治を司り、軍隊を指揮する一方で、宏壮な邸宅では社交、狩猟、スポーツに熱中した。世界中に広がった「英国的」な文化には、彼らが育んだものが多い。多くの事例とともに、その驚きの実態を紹介する好著。
目次
プロローグ 大英帝国の先頭に立つ者
第1章 貴族は稀族
第2章 貴族の豊かな生活
第3章 貴族の教育
第4章 ノブレス・オブリージュ
第5章 金と暇が生み出したもの
第6章 貴族の生き残り作戦
エピローグ されど、貴族
著者等紹介
小林章夫[コバヤシアキオ]
1949‐2021年。東京生まれ。上智大学大学院文学研究科修了ののち、同志社女子大学教授を経て、上智大学文学部教授。専攻はイギリス文学、文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
112
英国の貴族に纏わるトリビアで構成された一冊。厚さといい内容と言い、気楽に読むにはちょうどよい本。2023/08/12
榊原 香織
86
イギリスの貴族、いろいろ種類あって複雑。昨日観た映画ダウントンアビーは伯爵だったな。 この本では貴族はあまり勉強熱心ではない、とか少々皮肉込めた見方なので安心した(最近読んだ本で、それ自体も特権みたいに書いてあったのがあった)。 1990年代の本だが、最近の貴族熱?で再販。著者は昨年死亡2022/10/26
100
46
英国貴族の歴史と性質。国家の指導的立場にある貴族が実業学問より伝統、合理性や実利よりもプライドと美学を重んじる姿勢は、競争の強まる国際情勢のなかで国家を埋没させ、貴族の土地を担保とした経済基盤の弱体を招いた。いずれ来る自由・膨張の行き詰まりの時、その力が再度求められることだろう。2025/09/15
春ドーナツ
18
英国文学を読む上でその背景の一端となるトリビアを仕入れておくと、読書に芳醇さが加味されると良いな。希望を胸に読み始めた。ジョンソン首相の「I 'll be back!」(シュワちゃん)にとてもイギリス的なものを感じたけれど、あの放送は下院の議場が舞台で、それとは別に貴族院が今も現役バリバリ(古語)なのを知って驚いた。首相経験者はそのまま貴族院議員にスライドされる。サッチャー(懐かしいですね)は政策に関与し続けたい為、下院に残ったそうだ。ダイアナ妃についての言及が多く、ご存命の頃に本書が執筆されたようです。2022/08/12
ごへいもち
17
講談社学術文庫にしては読みやすい本だった。解説は新井潤美さん。小林氏は2021年に亡くなられていた…2022/09/18