出版社内容情報
あってはならない物語を「仕分け」せよ! 歴史修正への鋭い洞察が冴えわたる「予言の書」が、連載から20年の時を経て遂に刊行!
内容説明
木島平八郎、帰還。偽史と陰謀と地政学が錯綜する戦争前夜、仮面の古書店主と潔癖症の民俗学者・折口信夫が正史に「あってはならないもの」を仕分けする。未刊行の新作長編、20年振りの書籍化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ettyan えっちゃん
11
この作品は「もどき開口」で綺麗に終わったシリーズの前日譚として描かれた傑作だ。フーファイター、つまりUFOを題材に、日本の神話とドイツ・ロシアの歴史を巻き込んだ壮大な物語が展開される。でも、いつも通り物語はストンと仕分けられて、現実に引き戻される。特に、「もどき開口」を先に読んでいると、ラストでまたあの世界に連れて行かれるような感じがして、すごく面白い。前日譚なのに、シリーズ全体の構成をちゃんと考えて作られてるのがわかる。 2025/01/15
とくま
4
×P932023/02/12
taro
3
うつろ船やらフーファイターやらハウスホッファーやらおいしそうなネタをふんだんに盛り込んだSF伝奇。少しずつ読んではしばらく休みを繰り返して、とうとう読み終わってしまった。もう続編はでないのだろうなあ。2024/02/28
miubw
3
前半は漫画版木島日記の「天地に宣る」と同じくUFOネタで面白かった。終章はもどき開口の設定が侵食してきたところがイマイチ。でも回文を使った解決とか良かった。歴史上の人物が出てくるの好き、本当にチョイ役だけど円谷が出ていた。2023/08/31
小林ミノリ
0
八雲百怪を読み終え偽史三部作ロスからの渇望を癒してくれた今作、うつろ舟と言う当然仕分けの対象として相応しい事案を戦時中の胡乱で面妖なキャラクター達が虚実の被膜を行き来し狂言回しである折口信夫の不安定な内面に激しく同調し酩酊しながら読み終える。2023/08/07