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クーリエ・ジャポン[クーリエ・ジャポン]
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内容説明
賢人たちの最新インタビュー・論考を緊急出版!
目次
第1章 この戦争が意味するもの(ユヴァル・ノア・ハラリ―「ロシアの侵略を許せば世界中の独裁者がプーチンを真似るだろう」;ニーアル・ファーガソン―「プーチンはウクライナ戦争で何を目論んでいるのか」;ノーム・チョムスキー―「ウクライナ戦争による米露対立は、全人類への死刑宣告になる」)
第2章 プーチンとは何者なのか(ミシェル・エルチャニノフ―「世界はプーチンの核の脅しを真剣に受け取ったほうがいい」;ウラジーミル・ソローキン―「プーチンはいかにして怪物となったのか」;キャサリン・メリデール―「プーチンが恐れているもの、それは自身の死と民主主義だ」)
第3章 いま私たちに求められているもの(トマ・ピケティ―「欧米諸国の考える「制裁措置」は“標的”を大きく見誤っている」;タイラー・コーエン―「利他主義や慈善は戦時にどう対処すべきか?」;フランシス・フクヤマ―「プーチンは完敗する―私が楽観論を唱える理由」)
第4章 この戦争の行方を読む(ジョージ・ソロス―「プーチンと習近平は第三次世界大戦の引き金になろうとしている」;ジョン・ボルトン―「中国とロシアの協調こそが世界の脅威になる」;ロバート・ケーガンほか―「ウクライナが“完全支配”されたら何が起きるのか?」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
38
図書館。3年前の本。チョムスキー氏は、ベトナム戦争における、ベトナム人の対応を紹介。抗議の内容は、自国で殺された米兵を埋葬、墓前でベトナム人女性数人が黙禱。反戦を訴える米国人がこだわる正義や名誉より、生き延びたかった(53頁)。この精神の凄さを思い知った。ソローキン氏は、16Cイヴァン雷帝のときの、統制法を紹介。奪い、占領者を確信。残忍で、民衆には見通せない権力が必要だった。ピラミッド構造のロシア社会だ(89頁)。私は、戦時下、戦後でも、戦争(戦後)責任を一部国民にはあると思う。反対していない人が居る。2025/03/08
かずぼう
37
ユヴァル・ノア・ハラリ「ウクライナ人はロシアに吸収されたがっている」この妄想のせいで、プーチンは、ウクライナを侵略した瞬間にゼレンスキー大統領は逃亡し、ウクライナ軍は降伏し、国民は花を持ってロシアの戦車を出迎えるはずだと考えた。しかし、ゼレンスキーは逃亡せず、ウクライナ国民は、火炎瓶を投げつけている。プーチンは既に戦争に負けたのです。2022/07/28
zoe
24
自分に都合の良いことだけを見聞きし、アメとムチを使いわけて周囲を動かし、パッチワーク的に正当化しようとした歴史観や着々と準備した体制を築いたとの認識。ウクライナのNATO化への警告信号を西側が読み誤り一線を越えたため最後のスイッチを入れたとの解釈。数日、数週間で終わるどころか現在に至る。儲かるのは軍需産業だけ。中国は巻き込まれ損。自由を尊重するあまり、リベラルの連帯は弱く、偏狭的な連帯は強くなりがち。リベラルな民主主義以外を知らない人達は、その有難みが理解できない。戦術核の脅威と世界の終わり。2022/08/28
金吾
23
ウクライナ侵攻直後に世界の著名人たちがプーチンにどのような印象を受けたのかがわかる本です。ハラリとエルチャニノフの話が良かったです。2024/08/06
ザビ
13
混沌とした今、強い口調で危機を煽る言葉には冷静に距離をとりたいと思う。"満州(の権益)は日本の生命線"として無謀な太平洋戦争に進んだ日本、"NATO東方拡大はロシアの生死に関わる"とウクライナ侵略を決行したプーチン。この本でも"アメリカとロシアの衝突は人類への死刑宣告、今は人類史上重大な岐路に立つ"だからプーチンには手土産を持たせろというチョムスキーさん。それって核爆弾持って暴力ふるった方がヤリ得な社会になるじゃないか。そんなのゴメンだ。この戦争全ての基本的要因はプーチンの頭の中の妄想…確かにそう思う。2023/03/21