出版社内容情報
裁判所書記官として働く宇久井傑(うぐい・すぐる)。ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは五年前――父親が有罪判決を受けた裁判のさなかだった。冤罪の可能性に気がついた傑は、タイムリープを繰り返しながら真相を探り始める。しかし、過去に影響を及ぼした分だけ、五年後の「今」が変容。親友を失い、さらに最悪の事態が傑を襲う。未来を懸けたタイムリープの果てに、傑が導く真実とは。リーガルミステリーの新星、圧巻の最高到達点!
内容説明
裁判所書記官として働く宇久井傑。ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは五年前―父親が有罪判決を受けた裁判のさなかだった。冤罪の可能性に気がついた傑は、タイムリープを繰り返しながら真相を探り始める。しかし、過去に影響を及ぼした分だけ、五年後の「今」が変容。親友を失い、さらに最悪の事態が傑を襲う。未来を懸けたタイムリープの果てに、傑が導く真実とは。リーガルミステリーの新星、圧巻の最高到達点!
著者等紹介
五十嵐律人[イガラシリツト]
1990年岩手県生まれ。東北大学法学部卒業。弁護士(ベリーベスト法律事務所、第一東京弁護士会)。『法廷遊戯』で第62回メフィスト賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
308
五十嵐 律人、4作目です。本書は、タイムスリップ法廷ミステリでした。但し、事件が地味でタイムスリップしても大きく展開しないので、全体的にスリップした感じでした。 https://tree-novel.com/works/episode/0dd8a64b337f4c8f1db996137a1f0c2a.html2022/10/06
パトラッシュ
265
現役弁護士としてリーガルミステリに挑んできた作者だが、過去の作品は法律絡みのテーマに集中するあまり人間描写がおざなりになりがちだった。今作はタイムリープというSF的特殊設定を生かし、実父の冤罪の可能性に気付いた裁判所書記官の青年が真相を追求する意想外なドラマだ。彼のしていることは歴史の改変であり、一度変えてしまうと予想外の方向へねじ曲がってしまう。しかも他に時間旅行できる人物が現れるなど二重三重の複雑な状況下で、知恵と推理で対処能力が鍛えられ人として法曹として成長するカタルシスに満ちた物語が成立するのだ。2022/08/22
いつでも母さん
209
タイムリープという言葉を初めて知った(タイムスリップは知っていたけれど)正直言ってこれは苦手かも‥と読み始めた。手強い‥が何とか読み切れたのは、好きな法廷ものだしよく練られていたからだろう(さすが現役弁護士)よく思いつくものだと感心しちゃう。事件そのものより、烏間信司と言う裁判官のキャラが好きだ。特に第4章の烏間の言葉が分かりやすく、被告人や証人になった気がして(?)沁みて来るのだ。現実にはあり得ないだろうし、過去は変えられないだろうけど、たまにはこんな小説も面白い。戻りたいあの日は私にもあるなぁ‥ 2022/08/22
NADIA
170
献本、初めて当選した。しかもワタシ的には応募した本の中でも読みたいと思った作品でラッキー😆でも、これで今年の運を使い果たしたかもしれない(笑) まず、初めの印象。最近読んだ作品よりも圧倒的に漢字比率が高くてページが黒い!! さすが法廷劇だ。エッセイとは違うね🎵そして、この作品のキモである法廷劇でありながらタイムリープを繰り返すというのが、ちょっと複雑だが面白くて最後まで飽きない。なるほど現役の弁護士である作家さんだからこその、この世界観。説得力あるね。読後感も良し👍2022/06/12
mihya
164
読者メーターのプレゼントでいただいたサイン入りの献本。プルーフ本ってのを初めて手にした。 タイムリープというSF的要素が加わっているものの、現役弁護士作家らしいリーガルミステリーだと思う。面白かった。 脳内で時間軸を組み立てるのがちょっと難しいんだが、よく練られていて完成度が高い。裁判官、書記官としての倫理と心情のせめぎ合いと緊迫感が良かった。 蒔いた種はどれも発芽したんじゃないかな。2022/06/19