出版社内容情報
一番近い異性（ひと）で、遠い存在（かぞく）。
本当の幸せって何だろう。
『檸檬先生』で小説現代長編新人賞史上最年少デビュー！
十九歳の作家が描く、切なくて、温かい姉弟小説。
東京で大学生活を謳歌していた茂果は、友人の由紀からあるアニメを布教される。
柔らかな表情、手描き感のあるタッチ、自然な体重表現、甘い雰囲気の色使い、繊細な塗り。紹介された絵師のイラストは、弟の穂垂が描いたものだった。
Twitterの裏アカウントでBL作品を創作し、普段から異性との恋愛話をしない穂垂に対して、茂果は同性愛者なのではないかと考え、やがて過干渉してしまう。境界の曖昧さ、線引きの難しさを、姉弟の視点から見つめ直す。
小説現代長編新人賞受賞後第一作。
内容説明
東京で大学生活を謳歌していた茂果は、友人の由紀からあるアニメを布教される。柔らかな表情、手描き感のあるタッチ、自然な体重表現、甘い雰囲気の色使い、繊細な塗り。紹介された絵師のイラストは、弟の穂垂が描いたものだった。Ｔｗｉｔｔｅｒの裏アカウントでＢＬ作品を創作し、普段から異性との恋愛話をしない穂垂を、茂果は同性愛者なのではないかと考え、やがて過干渉してしまう。境界の曖昧さ、線引きの難しさを、姉弟の視点から見つめ直す。小説現代長編新人賞受賞後第一作。
著者等紹介
珠川こおり［タマガワコオリ］
２００２年、東京都生まれ。『檸檬先生』で第１５回小説現代長編新人賞を受賞してデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
82
『檸檬先生』がとても印象的だったので、読んでみた。モカの彼氏の朗ががバイ。付き合って初めてのデートで彼の方から打ち明けてくれた話が衝撃的だった。そんなことより弟が心配な茂果。 茂果は朗の気持ちも弟の気持ちも汲み取らない。自分が考えていることが当たり前の事実だと思い込んでる。彼とこじれた話をほどこうとしない。 半年も放っておくなんて。弟は心配だけど今やっていることが楽しくてキラキラしていたら、それでいいと思えた茂果。理解できてよかった。 決めつけは良くない。何が幸せなのかは人それぞれ。学校図書館◯2022/10/03
☆よいこ
77
YA。東京の祖母の家に姉弟で引越して暮らす。食事当番ちゃんとこなし、大学も高校も充実。オシャレ小説▽可愛い弟とイケメン美容師のカレシとか羨ましい話やん。弟がBL書いててコスプレ楽しんでる腐男子だからもしかしてゲイかも知れなくて彼氏の妹と無理やりデートさせて尾行とかなくない？自分が1番正しいとか、結局優しい彼氏に許されて愛されてとかなんやねん夢女子か～と貴腐人には胸焼けでした。2022/10/08
kei302
60
LGBTを匂わせた作品にするつもりだったのだろう…。残念な結果に終わっています。若いから仕方ないのかなあ。残念です。2022/07/27
ゆのん
58
大好きなコミックのイラストを描いてはSNSにあげている高校生の弟。そんな弟をこよなく愛する大学生の姉。ひょんな事から裏アカでBL物を描いている事を知り、弟の恋愛対象が同性なのかと動揺する訳だが。このままでは結婚も子供を持つことも出来ない＝幸せになれないと心配のあまり飛躍した言動に陥る。幸せって他人がはかるものでは無い、本人にとって何が幸せかは本人が感じ決める事。弟を愛するあまりと理解しつつもあまりに失礼な物言いに多少イラッとさせられた。弟との関係、恋人との関係、弟の友人との関係から考え方の変化が良かった。2022/08/13
れっつ
39
高校生の弟・穂垂のことが大好きなあまり放っておけず、いろいろと入れ込み過ぎている姉・茂果。彼女にも年上の美容師・郎という彼がいるのだが、彼より弟が大事という価値観を疑わない茂果は、何だか毒親の匂いさえ漂う。この先彼女は、郎や穂垂、そして自分自身とどう向き合うのか。多様性としあわせの価値観とを、劇中漫画を多用して表現する手法が今どきで、若い作者らしい感覚。また、今ココの存在の確かさが、まだ見ぬ未来への戸惑いを凌駕するストーリーは、作者の力量を感じさせる。デビュー作のインパクトを違う側面で成就させた意欲作。 2022/07/27
