出版社内容情報
佐藤 二葉[サトウ フタバ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
85
今回より電書で購入。東ローマ名物宮廷陰謀が不穏な影を投げかけています。一歩間違えれば、鼻をもがれたり、目を潰されたりするのに、そればかり繰り返してきたと言うことは、至尊の地位の甘美さなる物は、人生そのものを博打のコマにしても構わぬ位のものなのでしょう。アンナの成長とともに、どんどん剣呑な話が出てくるのでしょうね。2022/08/23
南北
50
高い理想や目標を持って皇帝になろうとするアンナと現実の帝国をどう運営していくかを重視する弟のヨハネスの対立は続いているが、アンナの家庭教師のような仕事をしているアネマスや皇帝に献上された戦災孤児のアクスークがアンナとヨハネスの間をうまく取り持ってくれそうな気配が感じられて好感が持てる。占星術で動揺する家臣たちをうまく押さえたりするところもアンナらしいところだと思う。「探求より学びしものは幸いなり」というエウリーピテースの言葉をさらりとギリシア語で書いてしまうあたりが楽しい。2024/04/30
兵士O
38
アンナの母の現皇后の「もう産めない!」という悲痛な叫び。しかしそれでも父である皇帝の政略結婚のために子を作るという冷徹な策略を否定するアンナ。この作品にはそういった男性原理に抵抗するアンナ=作者の目があります。それは干からびた事実だけの歴史に光が射した瞬間。心情、気持ち、そういったもの。また、彼女は恐ろしく勝気で自分の信念を曲げません。でもそれであっても現実の時間はシニカルに進んでいきます。一巻目と違い、出会いも別離もより彼女に近い所で起こっているように感じました。佐藤さん、クライマックスに向けて絶好調!2022/07/15
るぴん
32
1、2巻通読。アンナ・コムネナはビザンツ帝国皇女で、歴史家として名を残した実在の人物。この漫画を読むまで全くその存在を知らなかった。オールカラーの4コマで、キラキラしたとても可愛らしい絵だけれど、内容はかなりシビア。アンナの婚約者であったコンスタンティノスの毒殺事件をはじめとして、ドロドロの政争や陰謀に翻弄されながらアンナは大人になっていく。夫のニケフォロスとのピュアな恋が癒し♪読メのランキングに入っていただけあって、面白い!2022/09/06
りー
20
無敵のアンナにも乙女心が芽生え、ニケフォロスという泣き所が。描きにくいであろうドロドロもここまでアンナがアンナ様だと、それもまたアンナらしさをつくった要因なので良し!となる。どんどん成長するアンナが眩しい。2023/01/07