出版社内容情報
荻田 泰永[オギタ ヤスナガ]
著・文・その他
井上 奈奈[イノウエ ナナ]
著・文・その他
内容説明
北極をたった一人で歩く“僕”の一日を描く。ほおをたたく風、北極での生き方を知る動物たち、空からおりるくらやみ、そして…。植村直己冒険賞受賞の極地冒険家、荻田泰永×「世界で最も美しい本コンクール」銀賞受賞の井上奈奈による美しい絵本。
著者等紹介
荻田泰永[オギタヤスナガ]
北極冒険家。2000年よりカナダ北極圏やグリーンランド、北極海で主に単独徒歩での冒険を実施。これまでに17回の北極行を経験。2018年には日本人初の南極点無補給単独徒歩到達に成功。2017植村直己冒険賞受賞
井上奈奈[イノウエナナ]
作家、画家。16歳のとき単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。国内外での個展やアートフェアにて作品発表を続け、近年は絵本作品を発表。2018年絵本『くままでのおさらい』特装版がドイツ・ライプツィヒにて開催された「世界で最も美しい本コンクール」にて銀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
57
シンプルで詩のような、でもカラフルな、何とも不思議な自然と命の世界。「植村直己冒険賞」受賞の極地冒険家、荻田泰永×「世界で最も美しい本コンクール」銀賞受賞の井上奈奈による絵本。2023/05/28
ぶんこ
56
北極をたった一人で歩き続ける。孤独と生死への緊張感。普通では嫌だけれど、その緊張感が麻薬なのかもしれない。そう思わないと理解できない。出会う動物たちも、北極うさぎは知りませんでしたが、それぞれが生きていくために求めあう。「常に生まれ変わり死に変わりしながら、誰かを構成していた物質が次の誰かを構成する物質となる。」北極にいるからこその感慨なのかもしれない。井上奈奈さんの空が紫色に染まる一瞬の絵の、なんと世界を表していることか。そして動物と人からただよう優しさ。シーンとした世界。2023/11/28
とよぽん
55
文は、北極冒険家の荻田泰永(おぎた やすなが) さん。絵は井上奈奈さん。何かの受賞で話題になったと記憶していたが、井上さんの絵が見たいと思って読んでみた。荻田さんの素晴らしい文章に引き込まれ、自然と生き物のとらえ方がとても魅力的だと感じた。そして、イヌイットの友人に付けてもらったイヌイットネームが「ピヒュッティ」(この絵本の題名) であったと、あとがきで知る。さらにさらに、井上奈奈さんの絵も、荻田さんの表現世界を見事に描出していて素敵な絵本に仕上がっていた。みんな風になって北極の空を飛んでいる・・・。2023/11/16
annzuhime
54
島外の図書館から取り寄せ。北極冒険家の著者。タイトルは著者のイヌイットネーム。風になって命が届く。厳しい氷の大地で生きる生き物たち。絵と文章が合っていて良かった。CASA BRUTUSの大人も深読みしたいこどもの本100。2023/12/06
booklight
43
井上さんの絵から。北極や南極を単独歩行している荻田さんの文に、井上さんの絵。命のしずくがとられていく寒さのなか、寝袋のなかでゆめうつつのあわいでいる様子は、絵本ならでは。勝ち負けや達成感だけでない精神性が感じられるのは、絵本ならでは。ビビットな色はさすが井上奈奈さん、仕上がりのこだわりが出ている。隅々まで行き届いている絵もいいな。楽しめました。2024/05/26