星海社ＦＩＣＴＩＯＮＳ 京都陰陽寮謎解き滅妖帖

伊吹 亜門【著】

星海社（2022/06発売）

• サイズ B6判／ページ数 272p／高さ 19cm
• 商品コード 9784065280638
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

古より超常の力を継承する国家公務員“陰陽師”が、妖から人知れず人倫を守護する玲和の世。
陰陽師育成機関・京都陰陽寮明學院に通う狩埜師実が遭遇するのは、陰陽術の存在を以ってしても不可解な怪事件！
臓腑を喰らう妖蛇、呪詛封じの古御堂での密室殺人、継承の儀を妨げる黒い藁人形……その魔手を追うなかで、ついに師実は己が一族の宿敵と相まみえるーー！

デビュー作『刀と傘』でいきなり〈本格ミステリ大賞〉に輝いた大器、時代浪漫本格の継承者・伊吹亜門が挑む新境地！
謎を暴き妖魔を斬る、学園退魔ファンタジー×本格ミステリ！

＜星海社　令和の新本格ミステリカーニバル＞シリーズ、開幕！

新本格ミステリの父と謳われた名編集者・宇山日出臣が没して十五年余り。昭和に始まったこの新本格ミステリ・ムーブメントはその発端となった「小説」の垣根を越え、漫画・舞台・映像・ゲームなどあらゆる表現ジャンルへと飛翔を続けています。
だからこそ、我々星海社はあえてこの令和の世に「新本格ミステリ」を真正面から標榜し、原点たる「小説」として問い直したいと思います。

「新本格ミステリ」の魂（スピリット）を愛し、次代へと発展、継承すべく集ったとっておきにして腕ききの小説家陣による「新本格ミステリ」の、最前線にして現在の到達地点を、どうか存分にお楽しみください。

星海社FICTIONS編集長　太田克史

内容説明

古より超常の力を継承する国家公務員“陰陽師”が、妖から人知れず人倫を守護する玲和の世。陰陽師育成機関・京都陰陽寮明學院に通う狩埜師実が遭遇するのは、陰陽術の存在を以ってしても不可解な怪事件！臓腑を喰らう妖蛇、呪詛封じの古御堂での密室殺人、継承の儀を妨げる黒い藁人形…その魔手を追うなかで、ついに師実は己が一族の宿敵と相まみえる―！謎を暴き妖魔を斬る、学園退魔ファンタジー×本格ミステリ！

著者等紹介

伊吹亜門［イブキアモン］
ミステリ作家。１９９１年、愛知県生まれ。同志社大学ミステリ研究会出身。「監獄舎の殺人」でミステリーズ！新人賞を最年少受賞。２０１８年に同作を収録した『刀と傘　明治京洛推理帖』（東京創元社）で単行本デビューし、翌年に本格ミステリ大賞を受賞した（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[パトラッシュ]

明治維新や満洲国を舞台にしたシリアスな歴史ミステリの書き手と思っていたが、新作は国家公務員の陰陽師が化け物退治に奔走するファンタジーとは。あまりに過去と作風が違いすぎ、しかも美少年美少女のイラスト入りなのでラノベ作家に転向かと心配になったが、これはこれで結構楽しめた。育成学校や教師、周辺の関係者など陰陽師の世界がきちんと作り込まれており、古都の闇にうごめく妖たちの描写も迫力がある。主人公が十代の候補生なのは漫画的だが、彼の過去に絡む謎が引っ張っていくドラマ展開は巧みで続編を読みたくなる面白さは保証できる。

2022/09/18

[よっち]

国家公務員・陰陽師が妖から人知れず人倫を守護する玲和の時代。陰陽師育成機関・京都陰陽寮明學院に通う狩埜師実が、仲間とともに不可解な怪事件に挑む退魔ファンタジー。同じ明學院に通う陰陽師の跡継ぎ九条紅雀や、天眼を持つ白峰明日可たちとともに挑む、臓腑を喰らう妖蛇、呪詛封じの古御堂での密室殺人、継承の儀を妨げる黒い藁人形。そこに師実の苦い過去や諸々の因縁を絡めながらひとつに繋がってゆく展開は、テンポ良く進むミステリでもあって、ようやく見つけた師実の仇敵はなかなか手強そうですけど、今後の広がりも期待できそうですね。

2022/09/13

[koma-inu]

学園退魔ファンタジー×本格ミステリ3編。鬼滅の刃現代版に、ミステリが加わったようなお話。術式で妖怪を呼んだり、剣で戦ったりのバトルもあれば、密室殺人、毒殺殺人もありです。文体も表紙も、伊吹さん作とは思えない、ラノベ調。こういう作品もあるんだとビックリ。第二の事件の密室トリックは、本作ルールに従いつつもシンプルで面白い。主人公の両親を殺害した天敵も現れ、続編が待たれます。アニメ化もしやすそうなキャラ設定で、そちらも期待。

2024/12/23

[geshi]

呪術廻戦にミステリを合わせた狙いのライト感覚な作品。カタカナを極力使わない文章によって京都を舞台にした陰陽師が存在する世界観を想像できていた。ただし、陰陽師という特殊設定なのにそれをミステリ的に使わず、キャラもオーソドックスだから印象が弱いので、続きがありそうなんだけど手は伸びないだろうなぁ。『長刀坂奇譚』世界観を一番生かしたホワイダニットは面白い。『牡蠣殻堂事件』トリックがバレやすいから理由を乗ってけ欲しい。『祇園決壊防衛司令』毒殺のハウダニットはかなり無茶だし犯人が人間として機能していない。

2022/08/22

[九月猫]

伊吹亜門さんの本を読んでみたくて検索したら、なんだか趣の違うこちらを見つけ……1冊目に読むのはどうなんだろう？と思いつつ。　陰陽師の「卵」というには実戦ばりばり。おっかない現場ばかりではらはら。　ライトノベルのオカルト寄りかと思いきや、特殊設定ではあるけれどしっかりミステリ。術使いでないと成立しないトリックが面白い。 心配なのは、これ続き出るのか…？ということ。お話自体はまだ序章という感じなのだけど。

2024/03/08