出版社内容情報
柿原 朋哉[カキハラ トモヤ]
著・文・その他
内容説明
覆面アーティストとして活躍するFと、ファンアカウントでFの正体を追う友香―。渋谷の屋上で命を絶とうとしていた越智友香を救ったのは、Fの歌声だった。Fへの思いが生きる原動力となった友香だったが、彼女は覆面アーティストだった。Fを追い続けた友香は、衝撃の事実を知ることになる。
著者等紹介
柿原朋哉[カキハラトモヤ]
1994(平成6)年、兵庫県洲本市生まれ。立命館大学映像学部を中退し、映像制作会社「株式会社ハクシ」を設立。二人組YouTuber「パオパオチャンネル」(チャンネル登録者140万人)として活動したのち、2022(令和4)年、『匿名』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイマックス
86
デビュー作と言う先入観からなのか、物語のはじめは入り込めずに読み進んだ。次第に物語の中に入り込んでいた。いじめは受けた側の傷ははかりしれない。ただ、いじめた側にも首謀者と保身者と傍観者という立場の違いがある。傷を抱えたままでいい、解消も解決も無視もなかったことにもしなくていい、今のままの気持ちを抱えていてでも前に進むことの大切さが物語としてあった。歌は聴く者も魅了し歌う者も癒していく。2024/03/02
sayuri
76
シンプルな文章の中に共感がいくつもあった。渋谷の屋上で命を絶とうとしていた瞬間、五つの街頭ビジョンに映し出されたミュージックビデオから流れて来た歌声。物語は、その歌声に救われた越智友香と、覆面アーティストFの視点で交互に語られる。Fを追う為にTwitterに登録し、推し友を作りオフ会に参加する友香。だが、生きる糧を見つけた彼女を待ち受けていたのは衝撃の事実だった。SNS全盛時代の今、誰もが匿名を使う事で起こりうる最悪の事態。傷ついた心を抱えるFの哀しみに感情移入し、赦せないと言い切る彼女の想いを肯定する。2022/10/22
そら
72
母親と地元から逃げるように東京で働く友香。生きづらさから救ってくれたのは覆面アーティストFの歌声だった。友香はFを追いかけるうちに、ある秘密を知ることとなる。友香とFの視点から交互に語られるストーリー。 SNSでのコミュニケーションは現代風。過去は変えられないが、後悔も受け止めどう消化していくか?閉じていたふたりの心が、未来に向かって少しづつ開いていく様子にほっとする。普通に生きるって、とても難しい。2022/12/22
よっち
45
生きる希望を見失って渋谷の屋上で命を絶とうとしていた越智友香を救った、覆面アーティストFの歌声。生きる原動力となったFをもっと知りたくなって追いかけ始める物語。覆面アーティストとしてきっかけを得て飛躍し始めたFと、ファンアカウントでFの正体を追う友香。同じFのファンであるアカネと知り合いながら、知りたいという思いで近づいたFの意外な正体。やられた側はそのことを一生忘れることができないんだろうな…と改めて実感しつつ、でも皮肉にも今に繋がるそれにしっかりと向き合い乗り越えてみせたFの覚悟が印象的な物語でした。2022/10/10
ヒデミン@もも
41
柿原朋哉さん、初読み。わかってはいたけど若い人向けの作品。2人の主人公の気持ちは痛いほどわかる。が、私はやはり親世代。親を否定する気持ちもわかるが、それで、親が亡くなっても知らないふりできるのか。2022/10/08
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