出版社内容情報
佐藤 千矢子[サトウ チヤコ]
著・文・その他
内容説明
なぜ、永田町と政治メディアにオッサンが多いのか?幾多の「壁」に直面してきた政治記者が男性優位主義の本丸で考えた、日本社会への処方箋。
目次
第1章 立ちはだかるオッサン(面接での「お茶くみ」質問;夜討ち朝駆け ほか)
第2章 ハラスメントの現場(おっぱい好きな大物議員;思いがけず涙が ほか)
第3章 「女性初」が嫌だった(ガラスの崖;「男だったらもっと出世したのに」 ほか)
第4章 女性議員の壁(まさかの減少;自民党総裁選に2人の女性候補 ほか)
第5章 壁を壊すには(再チャレンジの機会;やはり「数」の問題 ほか)
著者等紹介
佐藤千矢子[サトウチヤコ]
1965年生まれ、愛知県出身。名古屋大学文学部卒業。毎日新聞社に入社し、長野支局、政治部、大阪社会部、外信部を経て、2001年10月から3年半、ワシントン特派員。米国では、米同時多発テロ後のアフガニスタン紛争、イラク戦争、米大統領選を取材した。政治部副部長、編集委員を経て、2013年から論説委員として安全保障法制などを担当。2017年に全国紙で女性として初めて政治部長に就いた。その後、大阪本社編集局次長、論説副委員長、東京本社編集編成局総務を経て、2022年4月から論説委員を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
128
女性初の全国紙政治部長を歴任された著者。文章を読む限り、サッパリとした性格で、ジェンダー問題を感情的に騒ぎ立てるのではなく、新聞記者として真摯に研鑽された結果が、その地位に繋がっていると感じられた。壁や天井は納得していたが「ガラスの崖」があったのか…。危機的な状況の組織では、女性を要職に就け、失敗しても「やっぱり女性はダメだ」と崖から突き落として使い捨てにすると言う。また、外部から受けるハラスメントの痛み以上に、それに対して「共感すらしてくれない」上司や会社の態度が、女性たちを傷付けていることも納得する。2022/06/16
fwhd8325
85
日本に女性総理大臣が誕生したら、積年の恨みではないけれど、女性はその座を男性に譲らないだろうと思います。それが日本にとっていいことなのかは想像できませんが、新しい日本の夜明けになりそうな予感がします。ただ、残念なのは、この人という政治家が思いつかないことです。高市さん、稲田さんの名前が出ていますが、自民のオッサンたちの本音は小渕さんなんだろうと思います。こんなことを言っているようでは、なかなか新しい時代はやってこないのでしょう。2023/02/04
たま
55
雇用均等法施行の翌年新聞社に入社した著者は均等法世代第1号。私は均等法以前の卒業なので、均等法世代にはどんな風景が見えていたのかな、と思い読んだ。均等法以前でも一般の会社で定年まで働く人はいたが、例外的な人、例外的な会社だったと思う。均等法以降状況は変わり、育児休業なども徐々に充実、やっぱり制度が重要だと思う。ただ、政治が変わらない。政治部記者だった著者はクォータ制導入やむなしと言う。今でも資質が疑わしい男性議員がいるが、それと同じくらい同じような女性議員がいる状態。そこから始めると言うことだ。2022/08/10
ま
38
数々の個性を「女性」に絡め取られないためにはクオータ制ぐらいのテコ入れが必要なんだろうな。格差を再生産させないためにも。著者が取材先の議員にセクハラを受けた時「そんな奴のところにもう行かなくていい。それで情報が取れなくなっても構わない」と言ってのけた先輩かっこいい。2023/06/06
おかむら
32
1987年に毎日新聞に入社した著者の、地方局→政治部→ワシントン特派員→政治部部長→論説委員と出世していく過程で、女性であることで被ったいろんな弊害について回想。声高でなくちょっと低めの声で淡々と事例を述べてる感じがして好きだわ。オッサン天国永田町界隈の話も面白い! オッサンたちはよう! このままだとあと100年たっても日本に女性総理はムリな気がするわ。2022/10/06
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