出版社内容情報
亀山 郁夫[カメヤマ イクオ]
著・文・その他
目次
序章 人は信念とともに若く
第1章 「教養」、すこやかな喜怒哀楽
第2章 少年時代「私」という書物1
第3章 青春時代「私」という書物2
第4章 「私は外国語が苦手」
第5章 モンタージュ的思考
第6章 実践の技法
第7章 俯瞰的思考
第8章 老いの作法
終章 大災厄時代に贈る言葉
著者等紹介
亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年、栃木県生まれ。ロシア文学者、名古屋外国語大学学長。東京外国語大学外国語学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。天理大学、同志社大学を経て、1990年より東京外国語大学外国語学部助教授、教授、同大学学長を歴任。2013年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
129
楽しく読ませて頂きました。著者はロシア文学者であり、名古屋外国語大学学長。74歳。著者曰く「教養とはあくまで自分と他者の関係性のなかで、それが共有されることで初めて価値を持つ知の体系である。その意味で教養とは対話とコミュニケーションの問題でもある」と。本書は基本、学生達に向けて書かれています。だって大学長だもんね。それなのに自分のトラウマや苦手な事、失敗した事がてんこ盛り。そしてAIやメタバースの今後をかなり心配されている。凄い人だなぁ。最後に「感謝の思いを通して表現のデリカシーを学ぶ」が心に刺さりました2023/05/03
KAZOO
94
人生百年の教養という題名ですが、何方かというと亀山先生の自分のたどってきた道などを示しながらの読者などから得られた知識などを神氏に生かしていくということなのでしょう。ドストエフスキ―の作品の訳で知られた先生ですがあまり語学は得意ではなかったようですね。ただ様々な交友などで人生を楽しく過ごしておられる感じがしました。2022/05/05
momogaga
48
人生百年が当たり前になる時代の教養のあり方について貴重なヒントを与えてくれた。特に第8章の「老いの作法」は、読書メーターの仲間に是非読んで欲しい。2023/04/17
フム
39
ドストエフスキー翻訳者であり、東京外語大学の学長まで勤めた筆者が教養人であることは一般的には疑いもないわけだが、本書で語られる読書遍歴や学びの歩みからは、なんとも弱気で自信がないコンプレックスの塊のような自己が明かされていて、その誠実さに共感しつつ読んだ。子どもの頃読んでいた本に人生のモデルがある、というのは振り返ると私もそうだし、人生の謎を解きたいという願望や絶え間ない自己発見の中で生きていきたいというのも同じだった。2022/06/23
テツ
23
ドストエフスキー作品の翻訳でおなじみの亀山郁夫さん。(ぼく自身のことは棚に上げつつ)この年になり他者と接すると、それぞれの積み上げてきた教養とそれに伴い練り上げられてきた人格の差というものがはっきりと判るようになってきた気がする。そうしたものがあまりにも薄っぺらい人間ってやっぱり面白みがないなあと感じる。自分自身が人生の歩みの途中で触れてきた文学や音楽から何を感じそこからどう思考したのか。人間的魅力の大部分を占めるであろう教養と知性と品格。死ぬまでに少しでも鍛え上げていきたいものです。2022/05/06