講談社選書メチエ<br> クリティック再建のために

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講談社選書メチエ
クリティック再建のために

  • 木庭 顕【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065270707
  • NDC分類 130
  • Cコード C0310

出版社内容情報

本書が掲げる「クリティック」は、ふつう「批評」や「批判」という日本語に訳されます。しかし、それらの語では十分に表されない意味が「クリティック」には含まれていることを日本の知的世界は気づかずにきました。その状況を憂える碩学が、これまでの仕事を総括するとともに、将来の知の土台を提供するべく、本書を書き上げました。
「クリティック」とは「物事を判断する場合に何か前提的な吟味を行う」という考え方です。その系譜をたどる道程はホメーロスから開始されます。そこからヘーロドトスとトゥーキュディデースを経てソークラテース、プラトーンに至る古代ギリシャの流れは、キケローやウァッローの古代ローマを経由する形で、一四世紀イタリアのペトラルカ、ヴァッラに至って「人文主義」として開花しました。この流れの根幹にある態度――それは、あるテクストを読み、解釈する前に、それは「正しいテクスト」なのか、そして自分がしているのは「正しい解釈」なのかを問う、というものです。こうした知的態度は古代ギリシャ以来のものであり、のちの者たちはその古代ギリシャ以来の態度に基づいて古代ギリシャのテクストを読み、解釈してきました。そして、それこそがヨーロッパの知的伝統を形作ってきた営みにほかなりません。
この系譜は、近代と呼ばれる時代にデカルトとスピノザによって変奏され、ついには実証主義とロマン主義の分岐を生み出します。その分岐を抱えたまま、現代に至って構造主義と現象学という末裔を出現させました。こうして、古代ギリシャから現代にまで至る流れを「クリティック」を軸にして全面的に書き換えること――そこに浮かび上がる思想史は、まさにその知的伝統から日本が外れているという事実を否応なく突きつけてくるでしょう。この欠如がいかなる現実をもたらしているのか。本書は、現代の危機のありかを暴き、そこから脱出するための道を示して閉じられます。
ここにあるのは、三部作『政治の成立』、『デモクラシーの古典的基礎』、『法存立の歴史的基盤』、日本国憲法を扱う『憲法9条へのカタバシス』、そして話題作『誰のために法は生まれた』など、数々の著作で圧倒的な存在感を示してきた著者からの渾身のメッセージです。

[本書の内容]
第I章 クリティックの起源
1 基礎部分の形成/2 出現/3 混線/4 アンティクアリアニズムのヘゲモニー
第II章 クリティックの展開
1 人文主義/2 ポスト人文主義──クリティックの分裂/3 近代的クリティックの始動/4 近代的クリティックの展開/5 実証主義
第III章 現代の問題状況からクリティック再建へ
1 リチュアリスト/2 社会構造/3 言語/4 現象学/5 パラデイクマの分節/6 構造主義/7 現状の再確認/8 クリティック再建のために

内容説明

「クリティック」とは何か?それは「批評」や「批判」という日本語では表しきれない、ヨーロッパの知的な系譜を示す言葉である。あるテクストを前にし、それを読み、解釈するとき、それは「正しいテクスト」か、と問うこと。自分の読みは「正しい解釈」か、と問うこと。ここにある態度こそ、古代ギリシャ以来、連綿と紡がれてきたヨーロッパの知の営みを統べる原理であり、この日本という場所に何よりも欠如したものにほかならない。今と未来に向けて碩学が提示する渾身のメッセージ。

目次

第1章 クリティックの起源(基礎部分の形成;出現;混線 ほか)
第2章 クリティックの展開(人文主義;ポスト人文主義―クリティックの分裂;近代的クリティックの始動 ほか)
第3章 現代の問題状況からクリティック再建へ(リチュアリスト;社会構造;言語 ほか)

著者等紹介

木庭顕[コバアキラ]
1951年、東京都生まれ。歴史学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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jntdsn13

3
近著の『人文主義の系譜』を含む木庭顕総著作についての本人の手に成るあんちょこ本。三部作はじめ重厚難解なあの木庭顕のエッセンスがこれ一冊に!……相変わらず注釈もなく用語の独特な用法が無造作に積み上げられる文章を理解できるのであれば。木庭作品が敬遠されるとしたら、それは分厚いからとかじゃなく、具体例にも乏しく肝心なところを避けながら「否、」「否、」で否定条件を積み上げるそのスタイルの為だと誰か教えてあげないと、裸の王様でみたいで可哀相だと思う。メチエの編集も内容を理解して編輯・校正しているのか疑問である。2022/03/12

takao

2
クリティック:論拠をデータを使って吟味し、概念の明晰度を疑う。2024/05/08

フクロウ

2
現在の日本における特に刑事裁判制度の中の各種の証拠法則こそ、木庭顕『クリティック再建のために』同『ポスト戦後日本の知的状況』が言う「クリティック」の典型例なんじゃないか。実証主義ではタッチできない領域を扱うために構造主義を使うことができ、それによりパラデイクマの二極を探究しイコール社会構造を探究できる。2024/04/20

かんちゃん

2
「p.207クリティックは、…政治的決定過程に入る前に候補たる決定内容を予め審査する知的営為に関わる。政治的決定が働きかけようとする所与の認識が十分に厳密か、働きかけるものであるから、クリティックは論拠の前提的な資格を審査することであると言い換えることさえできる。」而してその再建の手段は「差異の背後にバージョン対抗を見て、バージョン対抗を生む社会的な亀裂を見ることが所与たる現実を見る場合に不可欠」とするが、どう読んだらいいのか…。2023/05/15

asadaame

1
読めたとは思えない。2024/10/05

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