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出版社内容情報
吉森 保[ヨシモリ タモツ]
著・文・その他
内容説明
細胞の中で起きている、不思議で謎に満ちた現象を解説。ギリシャ語で「自己」を意味するautoと、「食べる」を意味するphagyから名付けられた「オートファジー」。この細胞のしくみが、生命にとって重要な役割を果たしていること、さまざまな病気と関係があることが続々と解明されつつある。オートファジーに関する数々の発見をしてきた著者が、臨場感あふれる研究の様子から、老化や病気の予防、治療への可能性まで徹底解説。
目次
第1章 細胞の中の世界
第2章 オートファジーの発見、暗黒時代、そして夜明け
第3章 哺乳類オートファジーの大海原に
第4章 3つの主要機能―栄養源の確保・代謝回転・有害物の隔離除去
第5章 選択的オートファジー
第6章 疾患に対するオートファジー
第7章 オートファジーを止めるルビコン
第8章 健康寿命を延ばす
著者等紹介
吉森保[ヨシモリタモツ]
大阪大学大学院生命機能研究科教授、医学系研究科教授、大阪大学栄誉教授。1958年生まれ。大阪大学理学部生物学科卒業後、同大学大学院医学研究科博士課程中退。ドイツ留学、国立基礎生物学研究所助教授、国立遺伝学研究所教授、大阪大学微生物病研究所教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
110
オートファジーの分子機構の解明 により大隅良典氏は2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。著者はその研究を哺乳類に展開し、大阪大学オートファジーセンターで臨床研究をしている。オートファジーの機能とは、飢餓状態の際に細胞が自己の成分を分解し栄養源を確保するだけでなく、細胞の代謝回転と細菌など有害物の隔離除去作用であり、著者はそのブレーキ役であるルビコンも発見し、ルビコンを抑制すると寿命が延びるだけでなく、老化現象の進行が緩やかになることがわかってきた。オートファジーを活性化する食品は、発酵食品だという。2022/07/01
樋口佳之
73
病気になると、胃や心臓、肝臓など臓器の具合が悪くなったと考える…しかし実際に悪くなっているのは、細胞…病気になるということは、細胞が病気になるということ…だからこそ、細胞を理解することがとても重要/オートファジーは、あらゆる細胞が持っている仕組み…つまり生物は、どの細胞も免疫細胞の助けを借りずに有害物を排除できるという、これまで知られていたより広範な免疫システム/読みやすいブルーバックスでオートファジーの役割と可能性を学べる本だと思います。細胞内のオルガネラの役割、仕組みまで明らかになりつつあるのだな2022/03/10
きみたけ
66
著者は大阪大学大学院生命機能研究科教授、医学系研究科教授の吉森保先生。オートファジー(自食作用)の役割や様々な病気や老化との関連を解明し、細胞の驚きのメカニズムを詳しく解説した一冊。オートファジーとは、体の中でタンパク質の分解と合成が毎日繰り返されている中、その細胞のリサイクルシステムとも言えるしくみのことで、老化や健康寿命、病気、免疫といった身近な問題の鍵になるかもしれないとのことです。専門用語が多く、内容を理解するのに少し難しかったです。今後がんの予防や治療に役立つことを願います。2022/09/02
ミライ
40
オートファジー研究者の吉森保さん自らオートファジーの最新情報について解説された一冊。オートファジーは老化や免疫、認知症などの病気にも関わっている細胞のリサイクルシステム。本書では、オートファジー研究の歴史~仕組み~効果~発動方法まで一冊でオートファジーの現在がすべてわかる内容となっている。現在研究中のオートファジー関係のサプリや化粧品の話もでてきて面白い。最近所々で聞くようになったオートファジーについて詳しく知りたい人にオススメ。2022/03/09
inami
33
◉読書 ★3.5 オートファジーという言葉を最近見聞きするようになり、詳しく知りたいと思い本書を手に取りました。auto(自動)fuzzy(曖昧)ではなく、ギリシャ語のauto(自己)phagy(食べる)と言うことで、細胞が自己成分などを分解する機能のこと・・と言われても何のことやら(笑)。2016年大隅良典氏のノーベル賞受賞により注目を浴びるように・・本書ではオートファジーの役割や仕組み、さまざな病気との関係性等々、多くの写真やイラストを活用し説明していますが、自分には難しかった。健康寿命は延ばしたい!2022/09/07