出版社内容情報
愛すればこそ別れ、愛すればこそ寄り添い合う。
ため息が出るほど色鮮やかな「人情」を描き出す
女性時代小説作家、ますます絶好調!
☆☆☆
身請けが決まった吉原の遊女・冬青は
笛師・大輔の幼馴染みだった。
調べるほど申し分のない嫁ぎ相手に
安心したのも束の間、遊女の足抜けが発生。
郭のご法度の事態に、真一郎へ連れ戻すよう依頼が入る(「冬青灯籠」)。
江戸の人情と色恋が事件となって顔を出す――。
共感必至の筆致で描かれる人気シリーズ!
内容説明
身請けが決まった吉原の遊女・冬青は笛師・大介の幼馴染みだった。調べるほど申し分のない嫁ぎ相手に安心したのも束の間、遊女の足抜けが発生。郭のご法度の事態に、真一郎へ連れ戻すよう依頼が入る(「冬青灯籠」)。江戸人情と色恋が事件となった顔を出す―共感必至の筆致で描かれる書下ろしシリーズ!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年千葉県生まれ、ミネソタ大学卒業。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞。『上絵師 律の似面絵帖 落ちぬ椿』を第一巻とする「上絵師 律の似面絵帖」シリーズが人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
90
六軒長屋の面々はそれぞれ生活の糧に特技を持っているわけだが、中でも面打師のお多香はかつて伊賀者らしく(内緒にしているが)今回はそれがなるほど!な場面を見せてもらった。「矢馳舟」の中で荒ぶる男どもを相手にするとはさすがという感じ。真一郎との仲は2人がナットクしてればそれでいいんじゃないのって感じ。「座敷わらし」がジワリ。損料屋から依頼されて座敷わらしの正体を探る長屋の面々、猿だ、いや子供だ、その正体は…昔の隠れ部屋を利用したトリック(?)がなかなか面白い。何かにつけては飲んでる長屋の連中。シリーズ第4弾。2022/02/05
真理そら
64
「矢馳舟」やぶさめは馬から矢を射るけれど、舟から矢を射るので矢馳舟、舟から射て動く舟の的に当てるのですごく難しそうだが、真一郎の腕なら大丈夫。大介、多香の命の恩人になったんだから真一郎はもっと堂々としててもいいよネ。2022/01/20
天の川
54
シリーズ4冊目。大介の幼馴染の冬青の身請け話に端を発する表題作「冬青灯籠」は、冬青の切ない想いと事件の身勝手な陰惨さにちょっと怯む。「矢馳舟」の大活劇は真一郎、お多香の大活劇でワクワク。お多香が真一郎につれないのは、真一郎にまで厄災が及ばぬようになのかな。3巻でわかったことがもう少し深掘りされるかと思ったけれど…。六軒長屋の人の輪は、周りにも拡大し、さらに深まっていくようです。2022/03/02
はつばあば
53
傑出した登場人物がいなくて、皆がそれぞれの技量を持ち寄って人助けなり小遣い稼ぎするのがいい(笑)。真ちゃんは多香さんに振り回されっぱなしだけどそれもいい。大介は鈴ちゃんに、久兵衛さんは梅さんに。自分達が幸せなら他の人にも幸せを分け与えることができますからね。冬青さんはこれから幸せになっていくでしょう。勧善懲悪に大人の生理的欲求がちょっとだけ癒され、若者の恋は檸檬のように甘酸っぱく・・だから読み進められるのかも。この本は軽くて何も残らないけど、また読みたいなぁと思わせてくれる。平穏な毎日にちょっとの刺激 2023/06/13
*+:。.もも.。:+*
20
なんでも屋が人気で大忙し。長屋の面々も真一郎の手伝いが忙しそうで多香なんて最後の方でちょこっと面打ちしてましたって体。もう久兵衛長屋探偵団にしちゃえばいいのに。でも多香に転がされながらも二人の仲はいい雰囲気。2022/03/07