出版社内容情報
みなさんは「病院船」を知っていますか? 大きな事故や災害が起きたとき、海からかけつけて、大きな船が丸ごと病院になってしまうというものです。日本は、まだ病院船を持っていません。しかし、東日本大震災が起きたとき、病院をはじめ多くの建物がめちゃくちゃに壊れてしまった現実を目の当たりにして、けがをした人々の治療をするためにも、こうした船を持つ必要があるのではないかという議論が起こりました。
それから9年の月日が経った2020年から、新型コロナウイルスが日本全国をおそいました。爆発的に感染者が増え、現在ある病院だけで患者に対応できるのか不安になっていくなか、ふたたび「病院船は必要なんだ」という声があがりました。
これは、「ナッチャンワールド」という高速フェリーの波瀾万丈の”船生(せんせい)”の物語です。ナッチャンの夢、それは「病院船になりたい」という夢です。オーストラリアで生まれたナッチャンは、お客さんを乗せて津軽海峡を行ったり来たりする観光フェリーでしたが、燃料の価格が高くなったためにフェリーとして使われなくなり、自衛隊に貸し出されて戦車や装甲車を訓練場に運ぶ仕事につきました。「平和の船」は、またたく間に「戦争の船」に様変わりしたのです。望まないのに「戦争の船」となったナッチャンは、病院船になれるのでしょうか?
長年にわたって防衛省の取材をしてきたジャーナリストが、実在するナッチャンワールドという船を主人公にして、戦争と平和のはざまにある今の時代を伝える、一風変わったノンフィクションです。
内容説明
これは、「ナッチャンワールド」という高速フェリーの波瀾万丈の“船生”の物語です。お客さんを乗せて津軽海峡を行ったり来たりする観光フェリーだったナッチャンは、燃料の価格が高くなったためにフェリーとして使われなくなり、自衛隊に貸し出されて戦車や装甲車を訓練場に運ぶ仕事につきました。「平和の船」は、またたく間に「戦争の船」に様変わりしたのです。長年にわたって防衛省の取材をしてきたジャーナリストが、実在する船に命を吹きこんだ一風変わったノンフィクションです。戦争と平和のはざまで揺れる、今の時代を伝えます。
目次
第1章 観光フェリーとして生まれて
第2章 世界一の高速フェリーが生まれた日
第3章 東日本大震災と「病院船」
第4章 「自衛隊の船」として
第5章 “戦争の船”と“平和の船”のはざまで
第6章 人を助ける船になるという夢
著者等紹介
半田滋[ハンダシゲル]
1955年、栃木県生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。1992年より防衛庁(現在の防衛省)取材を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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