出版社内容情報
1997年から1999年、オスロ・仙台と東京間で交わされた、『遠くからの声』。東日本大震災直後の喪失感の中で文学・人生・世紀末に思いを巡らせた『言葉の兆し』。
内容説明
一九九七年から九九年にかけて二人の作家が、オスロ/仙台~東京間で、二十世紀末という時代と文学について手紙を介して語り合った『遠くからの声』。その十二年後、東日本大震災に遭遇して言葉の力を根底から問う者、戦災の記憶をたぐり歴史と語りの相にふれる者として、再び紙上で相見えて世界を建立する『言葉の兆し』。魔術的とさえいえる書簡集。
目次
遠くからの声(1(時間の内実;見ることから学んでゆく;シャーレの巣作り ほか)
2(叫びについて;大いなる静まり;樹の風景 ほか)
3(屋根裏部屋;焦りと回復;見知った人 ほか))
言葉の兆し
著者等紹介
古井由吉[フルイヨシキチ]
1937・11・19~2020・2・18。小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白猫」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「沓子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと“内向の世代”と称される。77年、高井らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞
佐伯一麦[サエキカズミ]
1959・7・21~。小説家。宮城県生まれ。高校卒業を機に上京。週刊誌記者、電気工などを経て作家活動に専念。1984年、「木を接ぐ」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。90年、『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年、「ア・ルース・ボーイ」で三島由紀夫賞、97年、『遠き山に日は落ちて』で木山捷平文学賞、2005年、『鉄塔家族』で大佛次郎賞、07年、『ノルゲNorge』で野間文芸賞、14年、『還れぬ家』で毎日芸術賞、『渡良瀬』で伊藤整文学賞、20年、『山海記』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
RIKO
白いハエ