出版社内容情報
ネット炎上ーー
誰もが当事者になりうる戦慄のSNSサスペンス!
第61回メフィスト賞受賞作、ついに文庫化!
3人組アイドルグループのメンバー・青山柚莉愛。
メジャーデビューを目指すも売り上げ目標を越えられず焦る日々。
ある日マネージャーの提案で動画配信ドッキリを実行し、ファンの混乱がSNSで広がっていく。
騙されたファンの怒りの矛先はマネージャーや事務所ではなく柚莉愛本人に向かってしまい――。
内容説明
3人組アイドルグループのメンバー・青山柚莉愛。メジャーデビューを目指すも売り上げ目標を越えられず焦る日々。ある日マネージャーの提案で動画配信ドッキリを実行し、ファンの混乱がSNSで広がっていく。騙されたファンの怒りの矛先はマネージャーや事務所ではなく柚莉愛本人に向かってしまい―。
著者等紹介
真下みこと[マシタミコト]
1997年埼玉県生まれ。2019年『#柚莉愛とかくれんぼ』で第61回メフィスト賞を受賞し、2020年デビュー。シンガー・みさきとの「読む音楽」と「聴く小説」を届けるボーダーレスデュオ「茜さす日に嘘を隠して」では小説執筆と作詞を担当、活躍の場を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりこんぐ
40
思ってたより暗くて救いがない話。アイドルの闇、作れる炎上の怖さ、運営の無能。男性アイドルもそりゃ大変だとは思うけど、女の子たちって本当にキツいよね。。【積読104】2023/12/16
よっち
31
ノルマを達成できず、なかなかデビューできない三人組のアイドルグループ「となりの☆SiSTERs」。センターを務める青山柚莉愛の動画生配信中に行われたドッキリがファンの怒りを買ってしまうミステリ。マネージャーにやらされたドッキリがまさかの炎上。柚莉愛と仲間二人の微妙な関係と、振り回されて怒るファンたち、その炎上を密かに演出したTOKUMEIの存在。柚莉愛とTOKUMEI視点で語られる複雑な心情描写はリアルで、無責任な憶測で炎上してもどこかぱっとしない地下アイドルの悲哀と、まさかの衝撃的な結末が印象的でした。2021/11/16
seba
19
3人組アイドルグループ「となりの☆SiSTERs」の現状は、メジャーデビューに今一つ届かない位置。最年少メンバーの青山柚莉愛の個人配信でドッキリが行われ、これが案の定炎上。運営が企画した台本だったのに、次第に矛先は柚莉愛本人へ。アイドルを追う人の属性はファンかアンチの二択でグレーが存在せず、些細な不満足で反転する。どちらの立場にも、自分の投稿や行動一つでアイドルの心を操れるという錯覚と慢心がある。一喜一憂しているのは自分の方なのに。炎上を後押ししていたアカウント「@TOKUMEI」の考えていることも同じ。2025/07/08
おうつき
15
短い時間でサクッと読めて、そこそこ面白かった。ミステリとしての仕掛けは今更それ一つで勝負してくるの、と思わないでもないが、アイドルの炎上というテーマと合わせて綺麗にまとまっていたと思う。何かあるのかと思っていた部分が明かされずに終わってしまったが、何か意図があるのか気になる所。一読しただけでは読み解くことができなかった。2024/07/13
APIRU
9
地下アイドルもSNSも闇がいっぱい。安っぽいドッキリ企画によって炎上したアイドルが主人公のサスペンス長編であり、はじめましての作家さんでしたが、ストーリーも展開も闇深くて始終面白く読めました。ラストがまた救いが無くて無愧無惨で実にいい。地下アイドルの実態とかSNSの模様なんかも妙にリアルな感じがして、読んでいて息が詰まりそうなものがありました。そして隠れた相手を探そうとする鬼たち。「鬼」とは不可視の存在であるそうですが、SNSにおける視えない相手からの中傷たるや、それはまさに鬼の所業にも思えたものでした。2023/12/12