出版社内容情報
辻村 深月[ツジムラ ミヅキ]
著・文・その他
内容説明
大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて―(「ナベちゃんのヨメ」)。国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが…(「パッとしない子」)。人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞。2018年には、『かがみの孤城』が第15回本屋大賞で第1位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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izumi
190
だいぶ前に友人に勧められていた本。文庫化したので読んでみた。内容は過去からの復讐。自分たちからみたら大したことではないのに、本人からしたら忘れられないほど強く残る出来事だったのだろう。自分たちは今何でこんなことをされているのか理解できない。そんな違和感なしでは読めない物語。2021/10/22
yoshida
145
短編4編収録。そのうち2編は既読。いい具合に既読の内容を忘れており新鮮に読めた。ひとの心の闇を描く、ざらりとした質感ある短編集。無意識に相手を傷つけること。意識的に他者や異端の存在を傷つけること。程度の差はあれ、誰しも心当たりはあるのではなかろうか。時が過ぎ行われる傷付けられた側の復讐。傷の深さにより、復讐は念入りに執拗に行われる。本作では物理的な行為ではなく、会話で為される。その圧迫感と感情描写は辻村深月さんの筆力により、圧倒的なものとなる。かつての教え子や同級生からの復讐。なかなかに読み応えある作品。2022/01/24
イアン
140
★★★★★★★☆☆☆深層心理を深く抉る辻村深月の短編集。地方紙のライター・早穂は、塾経営で成功し一躍時の人となった同級生へ取材を申し込む。そこで彼女が発した言葉は、早穂の背筋を凍り付かせるものだった――(「早穂とゆかり」)。タイトルの通り、過去の出来事を振り返る4編の会話劇なのだが、これが絶妙に心を抉るのである。自分に向けられた言葉の悪意に気付いた時、一瞬で血の気が引くあの感覚。幽霊や殺人鬼が出てくるわけでもないのに、どんなホラーよりも怖いと思わせるのは、誰しもそのような経験を持ち合わせているからだろう。2026/02/05
mihya
117
確かにホラーではないけどホラーだった。4編ともどちらの気持ちも分かる気がする。私には忘れてる会話、忘れられない記憶、どちらもある。2022/01/27
アッシュ姉
104
まさしくタイトルどおり!噛みあわない会話にザワザワする短編集。同じ過去のはずなのに傷ついた方と傷つけた方では思い出の形がこうも違うものなのか。やった方はすっかり忘れていたり都合よく美化しているが、やられた方は忘れることなく根に持っている。闇が深くて、仕返しが怖すぎるのよ。著者の実体験かと錯覚してしまうほどの復讐劇に震える。なかなかの後味の悪さ。2022/10/20




