だんまり、つぶやき、語らい―じぶんをひらくことば

個数:
電子版価格
¥1,045
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

だんまり、つぶやき、語らい―じぶんをひらくことば

  • 鷲田 清一【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2021/10発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 20pt
  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年05月01日 03時30分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 98p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065252895
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ことばを、
 ・だんまり
 ・つぶやき
 ・語らい
 の三つの層で考えてみるというお話に入ろうと思います。
 最初にひとつだけ質問させてください。
 みんな、ことばって好きですか? 好きなひと、ちょっと手を挙げてくれます?
 はい。ありがとう。
 嫌いなひとは?
 あら……。そうか、どちらでもないひとが圧倒的に多いみたいですね。
 ことばが嫌いなひとがものすごく少ない。これ、ちょっと驚きです。
 ぼくはですね……じつはことばが苦手、というか、嫌いな人間なんです(笑)。
 それで、いまの若い世代の人って、ぼく以上に嫌いなのかなって思っていたんで、虚を衝かれました。
 でも、みなさん。だれかとしゃべる、ひとと話すことって、読むとか書くよりしんどくないですか?
 しゃべりたくないときでも、黙っていると場から浮いてしまうんじゃないか。
 メールが来たらすぐ返さないと、なんか悪くとられてしまうんじゃないか。もうつきあってもらえなくなるんじゃないか
 とか、いろいろありそうですね。
 しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラクだと思うのに、なぜかいつもしゃべらないといけないような空気みたいなものがある。ぼくはそれを敏感に感じるほうです。
 ことばって面倒くさいじゃないですか。
 じゃないですかって、挙手をみるかぎり、みなさんのほとんどがそう思っていないようですから、ちょっと困るところではありますが(笑)、ぼくは、ことばってすっごく面倒くさいものだと思っているんですね。
 というのは、たいていの場合、ことばのほうが過剰か過少であり、ピタリ、ズバリはまずない。そのアンバランスというか、チグハグさにひとは苦しみ悶える。……

 2020年10月15日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高等学校でおこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に読者はいつしかわが身をふりかえることだろう。


内容説明

二〇二〇年十月十五日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高校の生徒に向けておこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に、読者もぜひ参加していただきたい。

目次

最初はマスクの話から
なぜ顔を覆うものと、顔そのものとを同じことばで呼ぶのか
ことばって面倒くさいじゃないですか
記憶は脚色される
チグハグでアヤフヤだけど…
「名前のない学校」で
家族インタビュー
「あいつら、ほんとうは弱虫とちゃうか」
寺山修司はこう言った
いちばんつらいことば〔ほか〕

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年京都生まれ、哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。大阪大学文学部教授などを経て、大阪大学総長(2007~2011年)。2015~2019年、京都市立芸術大学理事長・学長。現在はせんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。医療や介護、教育の現場などに哲学の思考をつなぐ臨床哲学を提唱・探求する。朝日新聞一面に「折々のことば」を連載。『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力―臨床哲学試論』(ちくま学芸文庫、桑原武夫学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(角川選書、読売文学賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

109
鷲田先生が愛知県立一宮高校の生徒に向けて行った講演の収録。政治家の心ない言葉やSNSでの無意味なつぶやきが溢れる現代に、言葉の大切さを訴える。寺山修司さんの「大切なのは「話しあい」ではなく「黙りあい」」という言葉が印象的。だんまりの後に、つぶやきがあり、次の語らいでもう一段ステージが上がると説くのが本書のタイトルである。「できるだけ自分と同じコンテクストで生きていない人と話すよう心掛けてほしい」という先生の思いも示される。概念的で難しい内容なのに、講演後の若者たちの質問が極めて鋭く的確で、とても頼もしい。2021/12/14

けんとまん1007

54
鷲田先生の講演録。これを聴けた高校生は、素晴らしい経験になったに違いない。質問などのやり取りで、それがわかる。話すこと、聴くこと、言葉を使うこと、全般にわたって、今のこの国の惨憺たる状況にさおさすこと。話し合うではなく、黙りあうことの意味。なるほどと思う。言葉を使うというレベルに全く達していないのが、今の風潮。政治家、官僚、御用学者から始まって、俗にいう有名人もそうだ。だからこそ、語らうことへ眼を向けたい。2022/01/16

shikashika555

48
「語らい」というのは趣味や嗜好が似ているもの同士の共通の確認ではなく、互いのちがいがより繊細に見えてくる作業だ。 しかしそうすると自分が危うくなる。 自分が誰で何なのかに疑いが芽生える。 その心細さを支えるのも語らい(=聴きあうこと)の中にある。 「あ、この人こんなふうな感じ方をしてるんだ」 「こんなふうに感じたらいいんだ。こんなふうに思ったらいいんだ」 と、自分を少しづつチューニングしてつくりかえていく。 またはやはり自分はこうだと再確認する。 それが語らいということなのだ。 高校生向けの講演より。2023/04/24

tokko

14
高校生に向けた講演の講演録ということで、鷲田さんの語りが読めます。鷲田さんの哲学は本当にゴリゴリしていなくて、体にスッと入ってきます。スッと入ってくるんだけど、スッと出ていかずに、当分の間頭の中をぐるぐる回り続けるんだろうなという感触が得られます。2023/06/28

クロメバル

12
久しぶりの鷲田清一。特に「だんまり」から「つぶやき」への流れについては、納得できることが多い。焦って「語らい」を求めることが多かったことを省みた。今年は聴く力を養うことを意識したい。2022/01/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18898436
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。