講談社選書メチエ<br> 銭躍る東シナ海―貨幣と贅沢の一五~一六世紀

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講談社選書メチエ
銭躍る東シナ海―貨幣と贅沢の一五~一六世紀

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  • サイズ 46判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065252451
  • NDC分類 337.22
  • Cコード C0322

出版社内容情報

〈共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える!〉

「ちかごろ北京城の内外で人々は贅沢を好み、貴賤を問わず、みな金襴や宝石を身に着け、服装がみずからの分限を甚だしく越え、どの宴席でもいつも盛りだくさんの料理や菓子などが並べられ……」
15世紀後半、明の都・北京では人びとが競って贅沢にふけるようになった。奢侈の風潮は、さらに朝鮮半島、そして日本列島にも伝播し、絹製品や陶磁器・金銀・珠玉などの「唐物」が東シナ海を盛んに行き交うこととなる。

大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起こったのか?
それは単なる偶然ではなく、また各地域内の単一事象だけでも決して説明がつかない、世界史的事件であった!

これまで日本史の枠内で捉えられていた応仁の乱前後を画期とする日本列島の経済成長も、日朝交易が過熱化し半島から列島へ流れ混む朝鮮綿布、琉球を経由した唐糸・青花の流入といった多地域にわたる国際交易の活況と切り離して考える事ができない。
中世日本の経済成長、私鋳銭の流通や石高制への変化などの事象も、東アジア各地の経済成長と連動したものであった。

本書は、中国・朝鮮・日本の経済変動が相互に影響を与え合い、複数の起点からなる共時的な歴史変動がいかに生起するかを探る試みである。


【本書より】
総じて、およそなんの関わりもないように思われてきた東アジア各地の個々の事象が互いに関連し合い、やがてひとつの大状況(東アジア大での経済成長、日本銀の登場、倭寇的状況など)を創出し、さらにその大状況が多数の事象を派生させるとともに、これらの事象によってふたたび変容する、そのような歴史過程を描き出すことが本書の目的である。いままで意識されなかった歴史の「流れ」を見出し、その生成・展開を跡づけることを通して、この時期の中国史・日本史そして東アジア史をめぐる既存の認識とは多少なりとも違ったストーリーを提示できればと考えている。


【主な内容】
第一章 贅沢は連鎖する ─明・朝・日の経済成長
第二章 悪銭と悪貨─ 巻き起こる通貨変動
第三章 そして「倭銀」があらわれた
第四章 活況と騒乱の東アジア─ シルバー・ラッシュがもたらしたもの
おわりに ─ 「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”

内容説明

一五世紀後半、北京で流行しはじめた派手な消費生活はやがて朝鮮半島・日本列島にも伝播し、珠玉・絹・陶磁器などの「唐物」、そして大量の銭や銀が、東シナ海を激しく往来することとなる。大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起きたか?明・朝・日で同時発生した悪貨の横行の原因は何か?東アジア各地の経済成長と貨幣の変動は、相互連動する世界史的事件であった!共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える試み。

目次

第1章 贅沢は連鎖する―明・朝・日の経済成長(大陸における贅沢風潮;半島の奢侈化と唐物交易の展開;列島における唐物消費の拡大;連鎖の背景―経済復興する大陸;芽吹く半島の経済;列島の経済変動)
第2章 悪銭と悪布―巻き起こる通貨変動(大陸の悪銭と揀銭;列島の通貨変動;半島の通貨変動)
第3章 そして「倭銀」があらわれた(停滞する列島経済;劣悪化する大陸の銭;変容する東アジア海域の交易;環シナ海域交易の沈滞;「倭銀」登場)
第4章 活況と騒乱の東アジア―シルバー・ラッシュがもたらしたもの(撰銭令ふたたび―一六世紀中葉・その一;米遣いの展開―一六世紀中葉・その二;銭から米へ―一六世紀後半;銀でつながる東アジア)
おわりに―「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”

著者等紹介

大田由紀夫[オオタユキオ]
1965年、長野県生まれ。立命館大学文学部卒業、名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、鹿児島大学法文学部教授。専攻は中国近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

29
問題意識(貨幣システムの歴史)に合致した一冊なので手に取った一冊。個人的にはちょっと物足りないところだった。本書は主に16世紀頃の東アジアにて流通する貨幣の変化を貿易の様子も絡めて解説している。『悪貨が良貨を駆逐する』という視点で分析し、悪貨が増えると良貨にはプレミアムが着くため人々は保存し、悪貨が市場に広く流通し、物価が高くなり明朝を悩ませることになった。戦国~江戸時代の日本では地域によって良貨も流通している地域もあったが、それはせいぜい近畿エリアでそこから遠いところは米や悪貨が取引したとしている。2022/12/17

MUNEKAZ

17
15世紀後半からの中国の経済成長に端を発する東アジア全体の経済的な変動を紹介したい一冊。戦国時代、明清交代、壬辰倭乱と日中朝にとっては動乱の時代でもあったが、同時にそれは社会の流動性を促し、新たな経済需要の高まりを見せた瞬間でもあった。石高制という日本ローカルに思える体制が、東アジア全体の経済発展に繋がっており、さらにその裏にはスペイン銀の流入など世界全体を見据えたグローバルな連環が存在する。戦国時代の経済に興味がある人にとっては、その視点を一気に広げられる良書だと思う。2021/09/11

bapaksejahtera

16
元の支配を脱した後混乱を経て始まる明の経済成長は、多彩な商品需要を齎す。これを契機に生じた通貨特に銅銭を中心とした貨幣経済の伸長は、明のみならず朝鮮や日本、琉球から東南アに渉って共時的に生じた現象であるとして、東アジアに跨る以降の経済史を追う。特に早期に綿花栽培が進展し、我が国を含めて外国への綿布輸出を進めた朝鮮がこれを通貨として使用する等の記述は新鮮な知識を与える。16世紀日本銀の産出に伴う銀通貨の発展は朝鮮にも及ぶ。その後中米の銀の拡大に伴う物価騰貴。我が国の鎖国政策はその対抗施策として有効だった由。2023/05/24

かんがく

16
貨幣経済の発達、撰銭令、日本銀の輸出など日本史で習う内容について同時代の中国、朝鮮にも注目することでより広い歴史を捉える視点を提供してくれる一冊。ただ、かなり硬質な研究書で史料やグラフも多用されるため、読むのにはやや手こずった。中世の朝鮮史についてはもう少し深掘りしたい。2022/12/22

翠埜もぐら

15
中世における日本と東アジア、そして西国大名達の外交・物流などを知りたくて読んだのですが、ほぼ中国・朝鮮・琉球などの話が主で日本に関する記述は少なかったです。思ったのと大分違ったのですが、14世紀から16世紀にかけての東アジアの経済の転換期や明朝の対外政策、物流や倭銀・新大陸銀などがどのように影響を与えたのか興味深い話でした。朝鮮が金属の銭の代わりが布だったそうですが、少額の買い物ってどうしてたんだろう? 間違って当たんない限りあまり手に取るジャンルじゃないのである意味ラッキーでした。2022/06/28

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