出版社内容情報
私立探偵、姫崎智弘の元に、報酬一千万円という破格の依頼が舞い込んだ。依頼主は情報工学の権威、北神伊織博士。なんと依頼日である今日、2018年6月1日は、すでに千回近くも巻き戻されているという。原因を突き止めるため、姫崎を含めたメンバーは、巻き戻しを認識することができるという薬剤を口にする。再び6月1日が訪れた直後、博士が他殺死体で発見された……。
内容説明
私立探偵、姫崎智弘のもとに、成功報酬1000万円という破格の依頼が舞い込んだ。依頼主は情報工学の権威、北神伊織博士。なんと依頼日である今日、2018年6月1日は、すでに1000回近くも巻き戻されているという。原因を突き止めるため、姫崎を含めた招集メンバーは巻き戻しを認識することができるという薬剤を口にする。再び6月1日が訪れた直後、博士が他殺死体で発見された…。
著者等紹介
潮谷験[シオタニケン]
1978年京都府生まれ。2020年、第63回メフィスト賞を受賞。デビュー作『スイッチ 悪意の実験』が発売後即重版に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とん大西
131
『時空犯』…ベタですがSFド直球な響きに惹かれちゃいます。ループそしてループ、巻戻しに次ぐ巻戻し。今この世界は2018年6月1日を何日も繰り返している、1000回近く。それは自然現象か恣意的なものか。巻戻しを認識する唯一の人物・北神博士のもとに集められた8人の男女。そして…殺人、遡行、回避、探索。ループの中に入ったが故に陥った混沌。探偵姫崎が掴んだ一握の砂は…この世界の有り様とその世界の有り様。前作『スイッチ』以上に書きっぷりも洗練されて設定も巧み。粗さが残るもののどんどん上手くなってる印象を受ける。2021/09/19
美紀ちゃん
112
メフィスト賞受賞作家の2作目。 980回目の6月1日! この同じ日が繰り返されている謎を解くのだが、殺人事件が発生。 時間巻き戻し? 犯人は? 知性体? 登場人物の個性が濃い。 「秋の牢獄」を思い出しつつ読んだ。2021/10/01
みかん🍊
102
探偵姫崎は北神博士から集められた8人と共にある研究の協力を要請される、それはタイムループによって何度も繰り返される6月1日に一緒に体験して欲しいという奇妙なものだった、集められたバラバラな個性豊かなメンバー、しかし次の日殺人事件が起こってしまう、タイムループを起こしている時空犯が殺人犯なのか、壮大なSFミステリーでした、大岩のおばちゃんのキャラが良かった。2021/10/21
ちーたん
96
★★★☆☆繰り返される2018年6月1日。権威ある博士・北神伊織に招集された8名のエキスパート。報酬一千万で請け負った依頼内容は千回近く繰り返される時間の原因を突き止める事?にわかには信じがたいタイムリープの話だが実際、翌日は前日と全く同じ光景の6月1日だった!ただひとりを除いて…。◆タイムリープ✕殺人事件。秘密を共有した8人の【時空犯】の中に犯人が?会話文が多いので読みやすいもどこか二番煎じの印象を受けたのは題材や登場人物の非個性のせいかもしれない。ただタイムリープ理論は壮大で加速度付けてときめいた✨2021/10/19
R
91
タイムリープを扱った推理小説。時間が繰り返されるという設定が、こういう犯罪を生むことができるのかと驚いた。動機についても、この設定が実にうまく生きていてなるほどと腑に落ちた。割と切ない話で、犯人の動機には理解できるところもあるが、犯した罪はやはり償わないといけないのではと思ってしまった。タイムリープしてるから、実際は起きていないという、気持ちの悪さについては本筋ではないのか、さらっとしていたけど、未必の故意以上のものを覚えたが、どうなんだろう。2022/04/25