講談社文庫<br> 宝島〈下〉

電子版価格
¥500
  • 電子版あり

講談社文庫
宝島〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065243749
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

英雄が消えた夜。彼が手にしていたという「予定にない戦果」とは何か。故郷と基地。沖縄(ウチナー)とアメリカ。現在と過去。こちら側とあちら側l。境界線を越え、闘い、本土復帰に向けた大きな流れに翻弄されながら生き抜こうともがく三人がようやくたどり着いた、英雄が命を懸けた「秘密」とは。
第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞、三冠を達成した必読の書!

圧倒的傑作。
警官となり、教師となり、テロリストとなった幼馴染たちに、
英雄が命を懸けた「秘密」が明かされるーー

内容説明

英雄が消えた夜。彼が手にしていたという「予定にない戦果」とは何か。故郷と基地。沖縄とアメリカ。現在と過去。こちら側とあちら側。境界線を越え、本土復帰に向けた大きな流れに翻弄されつつもひたすらに走り続けた幼馴染たちがようやくたどり着いた、英雄が命を懸けた「秘密」とは。直木賞受賞、必読の書!

著者等紹介

真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

132
★★★★★☆☆☆☆☆沖縄を巡る混沌が深みを増す下巻。運命を変えた「嘉手納アギヤー」から10数年が経ち、それぞれの道を歩み始めたグスク、レイ、ヤマコの3人。消息を絶った英雄を捜し出すという志は同じであるにも関わらず、いがみ合い袂を分かつ彼ら。やがて明らかとなる戦果とは…。お世辞にもリーダビリティが高いとは言えず、必要以上に醜く描かれる米軍の所業の数々に、一種のプロパガンダ的な思惑を感じてしまった。巻末に「この作品はフィクションです」と記していないのは、沖縄に寄り添い続けた著者の作家としての矜持ゆえだろうか。2024/07/31

ふう

95
1972年、沖縄はアメリカの統治下から離れ、本土復帰を果たしました。でもそれは沖縄の人々が望んだ「核と基地のない沖縄」ではありませんでした。復帰に至るまでの激しい闘争に関わった幼馴染3人の苦悩。(上)と同じで彼らに襲い掛かる暴力のすざましさに、フィクションでもこれは多分事実だと思いました。これ以上だったかもしれません。苦悩の果てに3人が知った、彼らの英雄が守り抜いたもの。物語のタイトルが意味するものは、その英雄の心なのか、英雄が守り抜いたものなのか…。わたしにとっては、沖縄の歴史や自然、沖縄の全部ですが。2021/08/28

Kanonlicht

81
佐藤首相とニクソン大統領による会談の末の沖縄返還発表、その翌年に起きたコザ暴動。その時々に沖縄の人々が何を見てどう感じたか。本州の人には到底うかがい知れない沖縄人の苦悩と葛藤があったことを初めて知ることができた。折しも今年は沖縄返還50周年。6月23日の慰霊の日には戦没者追悼式が開催された。日本国民として、沖縄の人たちの今もなお続く苦しみに寄り添わなければと感じた。物語としては、その激動の時代を生きた人々の熱量に圧倒される。文句なしの傑作。2022/06/24

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

79
基地襲撃の夜に消えた彼らの英雄オンちゃんの行方は?彼らが持ち出したされる「予定外の戦果」の真相は?ミステリーの要素も含みながらグスク、ヤマコ、レイ三人の若者達の青春の物語であり、戦後から沖縄返還までの激動の沖縄とそこに暮らす人々を描く熱い物語であった。★★★+2021/09/26

dr2006

76
上巻を読み切ったその日のうちに、まさに捲る手が止まらずの一気読みだった。引用中略「生々流転する叙事詩は英雄の転生とともに最果ての風景にたどりつき、歳月に隠された島の真実を明かした」この一文に尽きる。この作品を生み出した作者の背景に何があったのだろうか?筆致に並々ならむパワーを感じたからだ。世間的に直木賞受賞に疑義を持たない作品であるし、個人的には今、読むべくして出逢えた作品なのかもしれない。きっと、記憶のヒダを通り過ぎることなく、ずっと心に残りつづけるだろう。読めてとても良かった。2024/04/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18098487
  • ご注意事項

最近チェックした商品