出版社内容情報
雑誌「クロワッサン」で連載された人気エッセイ待望の書籍化。私たちの目を開き、世界と向き合うための気づきとなるような言葉たちが溢れてくる。作家・小川洋子さんの解説も収録。
内容説明
著者20年ぶりのエッセイ集。
目次
私と言葉と Sleeping Giant
かんじんなことは、目に見えないんだよ
この世は舞台、人はみな役者
常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう
薔薇ノ木ニ薔薇ノ花サク ナニゴトノ不思議ナケレド
自分が思うほど人生を逃してはいない
この人は一生懸命なだけなんです
あなたが造ったから、それははじめからそこにあった
生活の“ほころび”を“喜び”に
自己とはひとつの束にすぎない〔ほか〕
著者等紹介
中嶋朋子[ナカジマトモコ]
女優。映画、舞台を中心に活動。ナレーションや朗読、執筆活動においても、そのみずみずしい感性で根強いファンを持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
171
めぐる出会いと、めぐる言葉に触れ合える日々に感謝を込めて。読書が大好きで、演者でもある中嶋朋子さんから紡がれる言葉に心を奪われる。尊敬する方の振る舞い、憧れの方からの一言、自然な言葉の数々が刻まれている。人には各々の見え方や生き方があるから、お互いに受け入れ合って丁寧にありたい。無意識に流れていってしまう言葉、物語で出逢えた大切な言葉、ひとつひとつをこれからも両の手で掬っていたい。小川洋子さんが最後に言葉を寄せてくれた、上質で優しいエッセイ。めざめの森に澄みわたる素直な気持ちでいつまでもいられますように。2024/01/11
いつでも母さん
163
あの中嶋朋子さん。「蛍ちゃん」と言った方が馴染む方も多いかもしれませんね。雑誌『クロワッサン』で連載していたエッセイ集。なんだろ・・彼女を通して伝わる言葉たちが優しい。ご主人の言葉や息子さん(俳優)の言葉が新鮮。透明感のある女優さんだと感じてきたが、たおやかとかしなやかと言う言葉に凛とするイメージが加わった感じ。そこだけ時がゆっくり過ぎるようでもあり、確実に刻まれるような・・滋味溢れる読書で、陽だまりの暖かさのような時間だった。2021/11/18
ぶんこ
49
本が好きとあって、そこから得た多くの栄養からのエッセイが素敵でした。また夫や息子さんとの普通に仲が良い生活も垣間みえて微笑ましい。夫の西村さんはヘアーアーティストとありましたが、今はカメラマンをされているようで、その仕事ぶりも好感度大。16歳で玉三郎に請われてジュリエットを演じた時のエピソードは玉三郎らしい率直さで胸キュンでした。数あるエピソードの中で最もくらいついたのが「空中ブランコ」体験。こんな体験できるんだ!もっと若かったらと悔しい。高い鉄棒でグルグル回るのが大好きだった子供時代に知りたかった。2022/08/14
どぶねずみ
34
女優の中嶋朋子さんが集めた「言葉」集。身近なところで流れている「言葉」たちを、私はたくさん聞き漏らしているはずだ。本書を読むとたくさんの経験値を積んでいる朋子さんの柔軟な考え方が伝わってくる。読書家としても知られる朋子さんだが、彼女が集めた「言葉」は読書からだけではなく、演技の合間だったり、家族との会話からだったり色々だ。辛いときは、考えを真逆に変えてみよう。絶対に楽になるから。2022/01/08
かおりん
32
女優中嶋朋子のエッセイ。いろいろな人の素敵な言葉を上手く捉え、感性の赴くままに綴られている。どれだけ多くの人の言葉を大切にしているか、息子さんの言葉もしっかり心にとめていていいなぁ。「大好きなものでいっぱいのママになりました!」「君が母親だからあげられるギフトじゃない?」など家族についての話が素敵。星の王子さまを再読してみたくなった。小川洋子さんを愛してやまないと言われるように、全体的に小川さんを感じ、あとがきもよかった。2023/03/04