出版社内容情報
●著者紹介
2019年、『絞首商會』で第60回メフィスト賞を受賞。
●主な内容
密室から忽然と消失した財宝の謎。
14年前の真実が明かされる
怒涛の30ページに目が離せない。
メフィスト賞作家、圧巻の純粋本格ミステリー!
「あたし、まえはサーカスにいたの」
大正14年。莫大な借金をつくった樺谷子爵家に、晴海商事からの使いとしてサーカス出身の少女・ユリ子が取り立てにやって来た。
返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出す。ユリ子と鞠子は、莫大な借金返済のため「財宝探し」をすることにした。
調べていくうちに近づく、明治44年、ある名家で起こった未解決事件の真相とはーー。
内容説明
「あたし、まえはサーカスにいたの」大正14年。莫大な借金をつくった樺谷子爵家に、晴海商事からの使いとしてサーカス出身の少女・ユリ子が取り立てにやって来た。返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出す。ユリ子と鞠子は、莫大な借金返済のため「財宝探し」をすることにした。調べていくうちに近づく、明治44年、ある名家で起こった未解決事件の真相とは―。メフィスト賞作家、圧巻の純粋本格ミステリー!
著者等紹介
夕木春央[ユウキハルオ]
1993年生まれ。2019年、「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞。同年、改題した『絞首商會』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
161
大正時代の上流社会を舞台に零落の華族令嬢とサーカスの脱走娘が少女探偵団を結成し、宝探しと暗号解読に奔走するガールズ活劇。さすがに現実離れした設定だが2人が謎の屋敷に潜入したり給仕に化けて情報収集するなど冒険性とキャラ立ちは高く、乱歩の少年探偵団同様に純粋なエンタメ物としては楽しい。しかし肝心の謎が不必要なほど複雑怪奇でわかりにくく、探偵役のルリ子が真相にたどり着いたプロセスが説明不足でピンとこないなど本格ミステリとしての出来栄えは微妙。作者が楽しんで書いているうちに、ついつい面白がって暴走してしまったか。2022/01/02
ちょろこ
138
風のような一冊。時は大正。十数年にわたる華族家の財宝を巡っての対立と宝の在処を探すミステリは雰囲気といい、暗号絡みの謎解きといい、みっしり読み応え有りの読後感。そして何よりサーカスから逃げ出したユリ子の奇抜さと借金の担保にされた華族の鞠子お嬢様の優雅さの溶け合いが面白い。一枚ずつお嬢様というお着物を脱ぐように外の世界を知り謎解きに挑む鞠子の姿は時代背景と共に楽しめた。見方変われば全てが変わる、まさに一大マジック。全てを一掃したつむじ風のようなユリ子の置き土産はさっぱり感と静けさと淋しさ。これも良い味わい。2023/06/16
モルク
131
絹川子爵が暗号と共に隠した財宝。それを見つけて我が物にしようとする人々。それが関東大震災を機に一気に動き出す。借金を抱えた樺谷子爵家の令嬢鞠子は借入先の晴海商事社長の下で彼女を借金のかたにと元サーカスの少女ユリ子に連れ出される。活劇さながらのユリ子の勇姿、そして馬のかつよさん、この3人(?)のコンビがいい。作家志望の鞠子の作成した怪文書…ワクワクする。母が若い頃読んだという吉屋信子の小説を小学生の時薦められて何冊か読んだが、その世界を思い出した。懐かしさの中に斬新さが混じった作品である。2023/01/03
nobby
95
むっちゃ面白い!そして間違いなく大好き!まさに快新の一気読みで久々に一日で読了♬苦手意識の大正時代ながら、華族なんて設定吹っ飛ばすユリ子とかつよさん(笑)消えた財宝の謎と、その在処を示す暗号、そんなワクワク要素を時には読者を置いてけぼりにする勢いでコミカルに描き切るスゴさ!既視感のある謎解きでニヤリとさせて全く違う解決で納得させるのが素晴らしい!訳が分からないと思っていた事柄が、きちんと伏線として繋がるのにも感嘆!探偵小説の結末のような場面での語りが賢過ぎるのはご愛嬌(笑)これ是非にシリーズ化して欲しい!2025/01/25
cinos
94
『本ミス2021』の14位でした。莫大な借金を抱えた令嬢が借金を取り立てに来た少女と隠された財宝を探します。執達吏の少女ユリ子はサーカスから逃げてきた、文字は読めないけど、天真爛漫な発想豊かで、魅力的な探偵役です。怒涛の30ページは確かに目がはなせません。面白すぎです!2022/02/05
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