出版社内容情報
淡雪の中にたちたる三千大千世界 またその中にあわ雪ぞ降る(良寛)
「僕は良寛を思索したことはない。いつも良寛を感じてきたのです」
日本人になじみ深い禅僧、良寛は希代の歌人、書家でもあった。
既存の論理や枠組ではとらえきれないその奥深い境地に独自のアプローチで迫る、これまでにない日本文化論。
目次
一、はぐれていく書
二、加速する無常
三、「はか」「ずれ」「あたり」
四、連音する連字
五、宝暦八年の少年
六、遊行の中の景気
七、塵は融通無礙
八、音を書く聞法
九、一二三四五六七
十、真から行して草々
十一、北方の中の決断
十二、なにかあやしき
解説 水原紫苑
内容説明
淡雪の中にたちたる三千大千世界またその中に泡雪ぞ降るこの歌の中に入ったまま、そこから出ていくことができないという著者は、良寛の書の「リズム」に共振し、「フラジャイル」な姿をなぞる。越後の風土に育まれた「精神の極北」に思いをめぐらし、翁童性のうちに「近代への抵抗」を読み取ったその果てに見えてくる、微かにして広大な風景とは。独自のアプローチで迫った、これまでにない日本文化論。
目次
はぐれていく書
加速する無常
「はか」「ずれ」「あたり」
連音する連字
宝暦八年の少年
遊行の中の景気
塵は融通無礙
音を書く聞法
一二三四五六七
真から行して草々〔ほか〕
著者等紹介
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
1944・1・25~。編集工学者。京都生まれ。1971年、工作舎を設立、オブジェマガジン「遊」を創刊。1987年、編集工学研究所を設立。情報文化と情報技術をつなぐ方法論を体系化し、その成果をメディアづくりやシステム開発、さまざまな企画・編集において展開。一方、日本文化を独自の視点で読み解く著作やテレビ番組の監修も数多く手がける。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授などを歴任。膨大な書物と交際し、読書の可能性を追究した経験を軸に、書店や図書館を編集するプロジェクトを手がける。現在、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長、角川武蔵野ミュージアム館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。