講談社文庫<br> 対岸の家事

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講談社文庫
対岸の家事

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065237120
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。
手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。 終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!

「あさイチ」(NHK)紹介で大反響!共感の嵐!

みんなそれぞれ違っていても大丈夫と思え、気持ちが楽になりました!(20代女性)
いいですね、結末が。主人公の日常を大切に歩む姿勢が好きです。(30代女性)
こんなに色々な立場から入れるにはなかなか出会えません。
読み終えて、なんだかすっきりしました。(40代女性)
世の中の男性がもっと読むべき本だと思う。私は読めてよかった!(50代男性)

巻末特別収録☆彡スピンオフショートストーリー 

内容説明

家族の為に「家事をすること」を仕事に選んだ詩穂。娘と二人だけの、繰り返される毎日。幸せなはずなのに自分の選択が正しかったのか迷う彼女の街には、性別や立場が違っても様々な現実に苦しむ人たちがいた。誰にも頼れず、限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める―。

著者等紹介

朱野帰子[アケノカエルコ]
1979年生まれ。2009年『マタタビ潔子の猫魂』(MF文庫ダ・ヴィンチ)で第4回ダ・ヴィンチ文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

211
『日本ほど子育てしながら働く環境が未整備の国もない…この国が保育という重労働に対し、低い対価しか与えないからだ』。『専業主婦』を主人公とし『育児』への関わり方の異なる登場人物との対比を通じて、そこに潜在する『家事』という『重労働』の存在に光を当てるこの作品。そこには、朱野さんの『家事』に対する新しい視点が描かれていました。『家事』というものの捉え方が人によって大きく異なることを認識させられるこの作品。日々の生活を回していくことの大変さを改めて思うこの作品。『家事』に対する見方が変わる素晴らしい作品でした。2024/09/08

machi☺︎︎゛

112
テーマが身近なものなのでとても入り込みやすく面白かった。ワーキングママと専業主婦の立場での子育てや家事、性別や立場の違う様々な現実に戸惑う姿。家族の為に専業主婦を選んだつもりの詩穂は自分の選択が合っていたのか悩む日々を過ごす。専業主婦を馬鹿にしていた礼子は専業主婦に助けられる。分かっていても置かれた場所で咲くのって難しい。私は今出来ることを精一杯頑張ろうと思った。2023/04/25

Karl Heintz Schneider

109
主人公の作ったカレーを食べて彼女はぽつりともらす。「ひとの作ってくれた料理って、なんておいしいんだろう」他人の家の家事なんて、しょせん他人ごと、対岸の家事。だけど、そこに一歩踏み込めば救われる人がいるはず。主人公の専業主婦は一歩を踏み出す決意をする。私の妻もかつては専業主婦だった。その頃は気楽なご身分だって思っていたけれど、こういう本を読むと、それがいかに浅はかだったのかに気づく。「一日でいい、誰かにご飯を作ってもらいたかった。」プロローグの主人公の言葉が胸に深く突き刺さった。2022/06/07

Nat

107
面白かった。私も主人公と同じで2つのことを同時にできないなと思って、結婚と同時に仕事を辞めて10年間主婦をした。だから詩穂の気持ちに激しく同意できるところが沢山あった。まだ主婦が今より多い時代だったので、ママ友がたくさんいたので孤独感は少なかったが、自分の選択に不安を感じることは多かった。働いている人も主婦も安心して子育てできる環境が整えられるといいなと思う。3歳まで育休とっても仕事に復帰できるとか、主婦でも社会と繋がれるとか。みんなでゆったり子育てを支えられる社会になってほしい。焦らなくていいよと。2022/08/17

Kazuko Ohta

82
訳あって、私は最初から子どもを持つ気がなかった者です。だけど結婚すればしょっちゅう「お子さんは?」と聞かれる。「ほしくないんです」とは言えないから「いいえ」と答えると、同情の目で見られ、可哀想だとすら言われる。結局、既婚でも未婚でも、子どもがいてもいなくても、本作のように誰かから見下される。でも、もしかすると見下すことで生きていられるのかもしれないと思うほど、毎日は大変。みんなできることはちがう。だったら見上げ見下すよりも、お互いを認めて、味方はひとりでも多く。日々の心持ちを教えてもらったように思います。2023/08/16

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